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ピッツバーグ在住の医師、三木敏生さん(高知市出身)のアメリカレポート。日米の現在を題材に柔らかいタッチで考察。

 

2008年4月アーカイブ

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ピッツバーグでは、レンギョウの黄色い花が春の訪れを告げてくれます。園芸店でも売っているような立派な庭木なのですが、自然に群生していることも多くちょっとした道路脇の斜面などに突然光り輝くような鮮やかな黄色が出現します。

この黄色を先頭に、スイセンが家々の庭先を飾り始め、一瞬桜に間違えそうなドックウッドの花が咲き始めると、灰色と茶色だったピッツバーグの風景が急に色づきだします。まるで、宮崎駿のアニメ映画「もののけ姫」のラストシーンのようにすごい勢いで緑が山を覆い尽くします。

そして、庭の芝生もぐんぐん伸びます。荷台に芝刈り機を積んだ芝刈り業者のトラックが目につき始め、ある日、ついに近所でガソリンエンジンの芝刈り機の音がし始めると、まるで冬眠から一気にさめたかのようにあちらこちらで芝刈り機がうなり始めます。

ガソリンエンジンの排気ガスの臭いと刈ったばかりの芝の匂い、このまじった”におい”も春の匂いです。

これから7月まで湿気の少ないピッツバーグはさわやかな過ごしやすい季節を迎えます。しかし、花盛りのこの季節、洗ったばっかりの車にうっすらとホコリのように花粉が積もり、アレルギーの方々には気の毒な日々でもあります。

【写真】春の訪れを告げるレンギョウの花

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子供のころ、中学校の地理の教科書には、確かピッツバーグは、鉄鋼の町として書かれていたと思います。

現在、産業的には学術、医療、コンピューター、エレクトロニクスの町として見事に変身をとげましたが、町の人たちや町の中にはいまだピッツバーグは鉄鋼の町という誇りが残っています。

この写真の煙突群もその象徴の一つです。豊富な石炭資源と川を利用した運搬で鉄鋼の町となったピッツバーグの河川敷には延々と製鉄所が建っていたそうです。

『鉄は国家なり』の時代、製鉄に必要な石炭と石灰岩が豊富にあり鉄鉱石や鉄鋼を運搬するのに適した川を持つピッツバーグは、1911年にはアメリカ国内の鉄鋼の半分を生産し、人口は50万人に達していたそうです。

しかし、第2次大戦後、原材料の枯渇と施設の老朽化から採算が取れなくなり、1970年代に入ると日本をはじめとする外国勢との競争、不況による需要の低下などでピッツバーグの製鉄産業は衰退していきます。

人口も1950年の68万人をピークに減少し、現在は約30万人と半分以下になっています。市内の最後の製鉄所の火がきえたのは、1998年で、そんなに昔のことではないのですが、その後河川敷は新しいオフィスビルや大学の建物、あるいはショッピングエリアへと再開発が進みました。

製鉄所を象徴する煙突。1960年代は、町中煙だらけで大学教授でも一日働くと白いシャツが黒くなってしまったそうです。いまは、澄み切った青空に屹立する92フィートのモニュメントになっています。

【写真】モニュメントになった青空に立つ煙突群

 

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ピッツバーグには、2種類の地方紙があります。そもそも広いアメリカでは全国紙というのはあまりありません。

全国区なのは、USA TodayとNewYorkTimesぐらいでしょうか。ピッツバーグにあるのは、ピッツバーグポストガゼット(Pittsburgh Post-Gazette)とピッツバーグトリビューンレビュー(Pittsburgh Tribune-Review)です。

写真のように、ポストガゼットは緑、トリビューンは赤のビニール袋に入れられて毎朝庭に投げ込まれます。どちらかといえば緑のポストガゼットの方が優勢なようで、近所の庭には赤よりも緑の袋が目立ちます。

わが家にも毎朝緑の袋が投げ込まれます。平日は、たいてい3部構成で、一般のニュース、ビジネス関連のニュース、そして地方のニュースといった感じで分冊がまとめて入っています。

そして日曜日は、ドドーンと折り込みチラシや広告が入って分厚くなります。

実は、このチラシが主婦の必需品。いろいろな商品の割引券(クーポン)がついているのです。

日曜版の一面には、「今日は何ドルぶんのクーポンが付いています」とわざわざ毎週集計して書いてあるところをみると、このチラシを目当てに日曜版だけ買う人もいるのかもしれません。

日曜版は、いつもの項目に加えて「Forum」という論説主体の部や「House & Garden」といったオシャレなお宅紹介ページ、また「Classified」という売ります買います情報のページも充実しています。

ほかにも、「Travel」(土曜日)「Cooking」(木曜日)など文化系の紙面が充実しているのがアメリカ地方紙の特徴でしょうか? テレビやネットで事件事故のニュースでは速報性に劣る分、読ませる解説の文化系でリードを保っているのかもしれません。

【写真】雪の中にひときわ目立つ緑のポストガゼット

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