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バイクで世界一周した和田守正、裕美夫妻(南国市)が、その軌跡を振り返ります。出会い、別れ、世界の実情を写真とともに紹介。

 

旅の準備の最近のブログ記事

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 税関でオートバイとともに日本から送ったテントや寝袋、ヘルメットなどたくさんの荷物を木箱から出して、何とか走れるようにオートバイに積み込み、よたよたとホテルまで帰ってきましたが、これをホテルの部屋に広げるとため息がでるほどいっぱいになりました。

 何しろ最後の目的地はあまり便利なものは期待できないインドで、その2、3年間の旅行の生活用品をわずかバッグ3個に詰め込んで日々なんとか暮らせるだけのものを準備していたので当然といえば当然です。

 実際これだけで2年以上二人が生活できたので、家も家具も荷物も生きてゆくにはそんなにたくさんのものは必要ないと旅が終わって日本に帰ってきてよく考えましたし、今でもそう思っています。

 ただし、帰国後住むところを構えるとたちまちさまざまな荷物が増え、俗人たる二人はそろって、ため息の毎日ですが。

 日本から送るとき極力荷物は小さくし、軽量化を考えましたが、それでもまだ多くて重いので、不用なものを処分したりして、徹底的に手をいれ、必要な工具のステンレスのハンドルを半分に切ることまでしました。

 ホテルの部屋の床にあぐらをかき、ひとつひとつ見直し、捨てて一層の軽量化。40本位持っていた新品のフィルムは全部包装の紙箱から出し、プラスチックケースも捨て中身だけにしました。

 さまざまな薬も錠剤のまわりをはさみで切り取ったりして軽量化。たくさん持ってきていた地図や案内書も表紙や不要な記事の部分は切り取って捨てました。

 【写真】ハーレーに乗って

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 オートバイは送り出したし、航空券は買った。もう出発するだけです。旅の計画を練る時、二人して本気で話し合いをしました。

 「旅は楽しいだろう。けれど、旅に出れば家はない、仕事もない。また、数年後に帰国して中年夫婦に仕事はあるだろうか。二人して貯めた少しの旅費は、使いようによってはささやかなマイホーム購入の頭金くらいにはなる。旅に出たらそのすべてを使い果たしてしまうだろう。それでも旅にでるかい?」と。

 そして、二人の結論は、「やっぱり行こうよ。人生は一回きりだし、今この時間は二度と帰ってこない。若い(?)時に旅しなければ年をとって思い出がない、と昔の人も言っている。」と、こんな話しをしたりして、とうとう旅立ちました。夫44歳、妻36歳の中年夫婦の長い旅の始まりです。

 高知から、フェリーで大阪へ。大阪、浜松、東京と各地の知り合いや家族に会った後、成田空港からハワイ経由でロサンゼルスまで。初めてのアメリカです。アジアともヨーロッパとも違う独特の雰囲気がありました。

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  たいへんお世話になった石油会社の上司に退職願を提出。前回の旅でも退職し て1年ぶりに帰国した時、また元の職場に快く受け入れしてくれたありが たい会社でした。

 目をかけてくれた常務は「和田さんは結婚もしたし、もう旅はやめたかと思っ ていた。よく働いてくれていて退職するは残念だが、一度しかない人生、好きなことをしたらいいよ。それにしても誰にでもできることではない、うらやましい 人生だね。」と温かく送り出してくれました。いまでも本当に感謝しています。

 借家を引き払い家財道具一切を実家に預け、これで本当の「ホームレス」に。 オートバイは改造後実家の庭先でハンドルやタイヤをはずしてある程度分解し、 小さくして箱詰めしました、キャンプ用品や部品を箱のすき間に忘れないように ぎっしりと詰め込んで日本通運の高知支店に搬入。バイクはここから神戸に送 り、アメリカ・ロサンゼルスまでコンテナ船で約1ヶ月(海上は2週間)の船旅 になります。

 同時に私たちは航空券の手配をしました。ちょうどこのころ、人種問題でロサ ンゼルス暴動があったばかり。航空券はロサンゼルス観光とホテル3泊つきで往 復5万円余と格安でした。

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  二人ともインドが大好きで何度も行っているので、まず目的地をインドとし、 アメリカ、ヨーロッパ、中近東経由でインドに行くことにしました。

 超長期の旅は確実に体力が衰え、オートバイの扱いも難しくなるので、取り扱 いや燃費の良さを考慮して250CCに。オフロードは一人旅には最適ですが、 シートが高過ぎ、二人乗りには不適当なので、あえて「ホンダ250U」 (233cc)という実用車を選んだのです。

 このオートバイはもう製造中止になっていますが、今でも街中で酒屋さんやお 米屋さんが配達用に使っているのが見られる実に地味な、しかし頑丈なオートバ イです。このオートバイを知人のバイク屋さんに頼んで、純正の9リットルしか 入らないガソリンタンクを取り外し、21リットル入りの大型を工夫して取り付 けたうえ、前後の荷台も特製のものを作ってもらいました。

 手続きについては、まず陸運局で国際ナンバーを取得。また日本自動車連盟 (JAF)で「カルネ・ド・パサージュ」という行き先の国ごとに国境を越え入 出国する際に必要な書類を作成しました。

 この書類は全世界共通で、オートバイや自動車で外国を旅する人には必ず必要 です。これがないと国境ごとにその国なりの関税率(例えばインドはオートバイ に200%の関税)に相当する保証金を払い、出国する際に払い戻してもらうこ とが必要ですが、金額や時間的にもそれは不可能で、外国はまず自分の乗り物で 旅できません。

 予算は航空券やガソリン、食費、ホテル代など一切の費用を含み二人で一日 100ドル(約1万円)の予算を見込み、最長3年間は旅ができるだけの旅費を 用意しました。

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 団塊の世代が続々定年退職する時代となりました。さまざまな問題が取りざた されているとはいえ、やはり生活は戦後ずっと豊かになり続けて今日まできた結 果、それぞれの世代なりにきっと豊かな現在とこれからを過ごせることでしょう。

 その豊かさをより充実したものにするのはそれぞれの人の生活の選び方・考え 方次第だと思います。

 これは勤めていた職場を退職し250ccのオートバイに二人乗りして2年2 カ月かけ世界一周し、その後また別のオートバイで欧州からインドへ通算約10 万キロを走った熟年夫婦の楽しい思い出作りの旅の記録です。

 幼い頃、四国の石鎚山の修験道の先達だった祖父に連れられ何度もこの山に 登ったことから始まり、いまはやりのアウトドアは一通りして学生のころは自転 車で2年間余りかけて北海道から九州まで日本一周の旅をしました。

 また四国八十八ヶ所の歩き遍路や奈良大峰山などの修験道の山に登ったりして各 地を旅し日本国内をそれなりに回った後、インドの仏跡巡りを手始めにオートバ イで海外に出て、2回(2年間)アジア、アフリカ、ヨーロッパを走りました。

 その後、結婚、就職し5年間ほどせっせと働きましたが、二人で世界を見た い、走りたいとの思いが強くなり、また旅の準備を始めました。

 【写真】ネパールのポカラで。向こうに広がるのはヒマラヤ。

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