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ようやくオートバイの組み立てが完了し、広い保税倉庫の中を走り回って外へ。税関中の人たちに見送られて出発してとりあえず、税関近くのガソリンスタンドに行き、当時はまだ日本になかったセルフサービスのスタンドでガソリンを満タンにしました。
そしてとうとう映画の中のシーンのような片側6車線、右側通行のフリイーウェーに合流し、長いトレーラーや大きな「外車」が洪水のように流れている中を走りました。
以前ドイツの速度無制限の道路、アウトバーンを走ったときの印象とはかなり違い、感動する余裕など一切ありませんでした。来る時タクシーの中で見たビルやテレビ塔などの目印を思い出しながら、とにかく泊まっているホテルに無事帰れるように、大きな車にはさまれて必死で高速道路を走りました。
やっとサンセット通りのホテルにたどり着くと、何度も税関との電話連絡を手伝ってくれた、フロントのマネージャーが飛び出してきて、「大きな夢を託した小さなオートバイ」の到着を心から喜んでくれました。
【写真】バイクに大きな夢を託しいざ、出発
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料金の領収書をもらって、これで手続きは全部終了。さっそく最初の係官のいる窓口に行くと、手続きを待っていたトラックの運転手さんたちより先に、すぐに連絡してくれ、フォークリフトに乗った、私たちのオートバイが保税倉庫から運ばれてきました。
下ろしてもらった箱を妻の裕美と一緒に開封。一応一緒に送った荷物の検査があり、それからはふたりで前後のタイヤやハンドルの取り付け、荷物の点検等をしました。
その間にも周りのトラックの運ちゃんや税関の係官などたくさんの人たちが興味深そうに私たちを取り囲み、「どんな国を旅行するのか、どれくらいの期間旅するのか」などとつぎつぎと質問してきました。
そして、「2年間世界一周の旅だ。」と答えると「こんな小さなオートバイで?」と本当に驚いていました。アメリカ人でも、大陸を車で横断するのはそれなりの冒険で、そんな旅をするのはそんなに多くはないのです。
ましてハーレーダビッドソンなど、1200ccの大型オートバイが普通の国でこんな小さな250ccのオートバイに二人乗りし、ここからまず東海岸のニューヨークまで行き、そこからヨーロッパ、中近東、インド、オーストラリアまで走ると聞いただけでたいへん驚いていました。
そして「自分もオートバイをもっているがいつかそんな旅をしてみたい夢を持っている」と話す人や、「組み立ての工具はあるか、ガソリンは持ってきているのか」と親切に言ってくれる人もいて、自分たちの仕事はそっちのけでした。
いろいろ言われていても、アメリカ人は常に明るい未来を夢見ていて、仕事だけでなく自分の夢や理想の実現に努力している人を尊敬し、そんな人がいたら自分のことのように感動する。そして、その人の背中を前にそっと押してくれるような余裕や優しさがあるようで、今でもありがたかったその時の印象は変わりません。
【写真】開封され出てきたバイク
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