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ブラジル在住のカメラマン、楮佐古晶章さん(高知市出身)が、ブラジルの毎日を活写。

 

2007年12月アーカイブ

burazilbus.jpg あふれんばかりの乗客を乗せたバスがスピードの出しすぎで民家に突っ込み、数十人が重軽傷を負った事故が、朝のニュースで流れた。ふーん、という感じで、このときはインターネットを見ながら聞き流した。

 

 サンパウロ最大のビジネス街、パウリスタで人に会う約束があったのでバスに乗らなければならなかった。そのバスは乗客が降りる合図のボタンを押しているにもかかわらず、それを無視するかのように2回もバス乗り場を通り過ぎていたのだ。バスに乗った直後から「何かおかしい」と思っていた。

 

 バスの横を別の1台のバスが通り過ぎた。その瞬間、運転手が大声を上げて、そのバスの運転手に何かさけんだ。運転手たちは、なんと町の真ん中で抜きつ抜かれつのカーチェイスをやっていたのである。

 

 途中では、幅寄せをしたり、急発進をしたり・・・。それはそれはそれはひどい運転だった。前の日に重大なバス事故があったことをこの運転手らが知らないわけがない。

 

 この国の運転手の無神経さにつくづく腹がたった。いったい彼らは人命や乗客のことをどう考えているのだろう?。いや、何も考えていないのかもしれない。 

 

【写真】バスは市民の重要な足なのだが、運転手の運転はとにかく荒い

 

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  もうすぐ、カーニバルと並ぶ最大の行事、ナタール(クリスマス)を迎える。カーニバルの時期は旅行にいく人が多いのだが、ナタールは家族が集まって自宅で過ごすのが一般的である。

 

 それぞれの家庭ではツリーを飾り、鶏や七面鳥の丸焼きなどのごちそうを作り、家族みんなへのプレゼントを用意し、聖夜を待つ。ブラジルに来て10年ほどは真夏のナタールと正月に慣れなかったが、最近やっと慣れてきた気がする。しかし、やっぱり、キッと身が引き締まる寒さの中でこれらの年末行事を迎える方が僕は好きだ。

 

 ナタール前には、「13ヶ月」と呼ばれる1ヶ月余分の給料(日本のボーナスのようなもの)が支払われるので、商店は最大のかきいれどきだ。プレゼントの購入客でショッピングセンターや商店はあふれかえる。もらったプレゼントは、気に入らなければ、お金や別の商品に交換ができるらしい。

 

 僕はそれほど大したプレゼントをもらったことがないので交換はしたことがない。本当に交換してくれるのだろうか?

 

 会社などでは、この時期になると、パネトーネと呼ばれる、干し果物や粒チョコレート入りのスポンジケーキが配られ、スーパーなどでも大量に並べられる。僕はあまりおいしいと感じられないのだが、ブラジル人は総じて大好きなようだ。うちの息子も食べたがるのでしぶしぶ買うことになる。

 

 最近は菓子パンのようなパネトーネを食べて、ああもうすぐ1年も終わりだなと感じるようになった。

 

 【写真】クリスマスの買い物客でにぎわう商店

 

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brazil04.jpgのサムネール画像 今日もまたアパートのエレベーターが故障して使えない。

  うちのアパートの建物は築50数年という年代モノで、できたころは屋上にダンス場のある高級マンションだったらしい。今でもそのころの余韻が少し残っていて、ここに住む前は僕もいつかはこんなアパートに住みたいと思っていた。数年前には、市の文化財に指定され、表は一切改装ができなくなってしまった。

 

 そんな古い建物だけあって、エレベーターがしばしば故障する。一度など、急用で22階まで歩いて上ったこともある。そんなことがごく普通に起きているから、エレベ-ターが故障するのは、日本のエレーベーター事故の記事を読むまでは、ごく普通のことだと思っていた。

 

 先とは別のケースでは、中に閉じ込められたまま30分ほど真っ暗闇の中で過ごしたこともある。あるおじさんは、エレベーターが、3、4階で突然止まり、そのまま落下してしまったそうである。止まり方が中途半端だったり、ガックン、ガックンと揺れたり変な動きを始めると、たいてい次の日には故障し、使用禁止の札が掛けられ、修理されている。だから、変な動きが出始めたときは乗らないことにしている。

 

 アパートの僕の部屋は22階なので、突然落下したら、なんてことを考えると、恐怖を感じずにはいられない。 

 

【写真】息子はエレベーターに閉じ込められて以来、1 人では決して乗らなくなった

 

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 荷物をたくさんかかえた女性にエレベーターのドアを開けてあげると、「オブリガード、ゼニョール」といわれ少々ショックであった。

brazil03.jpg
 セニョールと呼ばれるのは、たいてい40代以上の男性に言われる言葉だからである。もちろん、教養があり礼節をわきまえた人は、誰に対してもこのセニョールという言葉を良く使うし、お金持ちや、品がありきちんとしたみなりの人に対してよく使われる言葉である。

 ただ、この女性が初老の人だっただけに、ちょっとショックであった。「チウ(おじさん)」とよばれるよりはましかもしれないが・・・・。

 しかし、最近、よくセニョールと言う言葉を使われるようになった。もう、44歳なのだから当然といえば、当然なのだが、自分の頭の中ではまだ30代前半、いや、まだ学生のつもりだから、少々悲しい。

 多分見た目は、もう完全なるおじさんなのだろう。もしかしたら僕自身に人間としての品がでてきており、みんなセニョールと言ってくれるのかもしれないが、まあそれはあんまりなさそうである。

 「年をとるのがうれしくてね。今まで分からなかったことが、最近はいろんなことが見えてきたよ」と知人が言った言葉が深く印象に残っている。

 僕もいつかこんな言葉を言えるときがくるのだろうか。

 【写真】94歳になるおばあちゃん。今でも元気に日本舞踊を踊る

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