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ブラジル在住のカメラマン、楮佐古晶章さん(高知市出身)が、ブラジルの毎日を活写。

 

2008年2月アーカイブ

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僕の住んでいるアパートはもうできてから60年は経とうかと言う古い建物である。できた当初は、マンション(日本ではどんなアパートにもこの言葉は使われるが、ブラジルでは最高級のアパートをこう呼ぶ)と呼ばれ、屋上にはダンス場まであった、当時は市民の憧れのアパートだったらしい。今は市の文化遺産にも指定されている。

僕のアパートは22階にあり、ベランダから見下ろす光景はなかなかのもので、僕自身も結構気に入っている。今でも交通の便とその格好の良さから結構住みたい人も多いようであるが、僕には“猫に小判”的なアパートかもしれない。

とにかく、僕は掃除が苦手で、部屋は荒れ放題、快適なベランダに出るのも一苦労なほどで、今では3 ヶ月に1回も出ない。だから、部屋の中の配管なぞ、一度も取り替えたことがなかった。

これはお金がいつもギリギリということもある。しかし、ついに変えなければいけなくなってしまった。水漏れで被害を被っている下の住人から「早く直さないと訴えるぞ」と圧力をかけられたのだ。

日本では配管を代えたりするのは、大変な作業なようだが、ブラジルでは配管の腐食などによって水漏れがあると、アパートの持ち主が修理屋に頼んで簡単に直してしまう。地震がないのであまり耐震ということに関して考えてないせいだろう。

何とか、修理費を分割払いにしてもらい、直すことになった。しかし、他にもいろいろ問題がある。ブラジルでは他人を家にいれるということは結構大変なことで、よっぽど信用の置ける人しかいれない。

ある僕の知人の家では、お手伝いさんを入れたところ、子供のおもちゃから、下着、食料品までが、彼女が来るたびになくなっていたという。ブラジルに来て身についた哀しい習慣であるが、僕もその辺は一切ブラジル人を信用していない。服でも食料品でも持っていかれても全く問題がないが、さすがに長年集めてきた仕事道具やお金は困る。もちろん、盗る方が悪いのであるが、盗られる方にも責任はあると思う。ブラジルに住むようになってそう思うようになった。だからできる限りの用心をしている。
 修理中はできるだけ家にいるようにして、何の被害も受けることなく終えたときにはほっとした。

【写真説明】部屋の中の配管工事
 

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最近、セ広場で写真を撮る機会が増えた。

セ広場はサンパウロの中心地で、この広場を中心に町は広がっている。昔から、スリや強盗が多い場所として有名で、路上生活者や、ストリートチルドレンがいつもゴロ寝している。社会から落ちこぼれた人間の吹きだまりとも言える場所なので、人物写真を撮るのは困難ではあるが、僕にとってサンパウロで最も興味深いところである。

久しぶりに会った友人と夕食をした後、プラサを通った。8時を過ぎていたので少々危ないかなと思いつつ通ったのだが、意外にも人通りは多く、さほど危ない雰囲気ではない。数十個の街灯がぼんやりと灯り、「おっ、これは」と思う様な不思議な雰囲気を醸し出している。

夜のサンパウロをいろいろ撮影してみるのも面白いかもしれない。

【写真説明】セ広場。この広場にはさまざまな人間が集まってくる

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 僕にとっていまだに慣れないブラジルの習慣は、電話とベージョと靴磨きである。

日本だと電話をかける方が、先に自分の名前を名乗るが、ブラジルでは反対で、電話をかけた方が、まず「ケン・エ(誰?)」と聞いてくる。これは、ごく普通のことであるらしいのだが、僕はかけた方が、まず名前をいうべきだと思うから、名前を聞かれても、まず答えない。逆にこちらが「ケン・エスタ・ファランド(誰ですか)」と聞いても、相手はたいてい答えない(多分、相手も先に名前をいうのが嫌なのだろう)。

次にベージョ。これは、人と会ったときや、別れるときに頬にチュッチュッと軽いキッスするあいさつである。これもどうも恥ずかしくていまだに慣れない。きれいな女性になるとなおさらである。もともと僕は女性とお酒には弱いのである。

そして、最後が靴磨き。ブラジルでは磨かれたきれいな靴を履くことははかなり重要な身だしなみの一つである。僕はスニーカーが嫌いで、ワーキングブーツ(?)のような革靴をいつも履いている。

サンパウロのセントロには靴磨きが結構たくさんいて、汚い僕の靴を見て磨かないかといつも声を掛けられたものである。しかし、最近はめっきり声をかけられなくなった。靴が汚すぎるのか?、あるいは貧乏そうに見えるのか?。どうも、いすに座って靴を磨かせるのは偉そうな感じがして、抵抗がある。多分これは僕が田舎者のせいだろう。

おそらく、この3つはこれからもなれることはないだろうという気がする。
 
【写真説明】 靴磨きは街のいたるところで見られる

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「カーニバル最高!」「もっとカーニバルが長かったらいいのに」―。カーニバル会場でテレビのレポーターの質問に対して人々は笑み満面で答えている。

しかし、本当にブラジル人は皆カーニバルが好きなのだろうか?。僕の周囲のブラジル人は皆カーニバルが嫌いだという。テレビで視聴者が電話で参加できる人気番組に登場する視聴者も、大半がカーニバルが嫌いだ、と答えている。もっとも、カーニバルの期間中にテレビを見ているような人はカーニバル嫌いに決まっているが・・・。

テレビでは、各地のカーニバルの盛り上がりを数時間おきに実況中継している。確かにものすごい人出である。しかし、何となく、中流以上の人々の楽しみのような気がしてならない。例えば、サルバドールのカーニバルの参加料は、かなり高いようだし、一般庶民がそのお金を出せるとは到底思えない。もちろん、参加しなくても脇で一緒になって踊っている人や無料の場所で踊っている人も多くいるだろう。

リオのカーニバルの参加者はエスコーラデサンバの人は別にして、ほとんど南ブラジルやサンパウロ、あるいは、外国からのお金持ちではないだろうか。もともとリオのカーニバルは貧乏な人々が日ごろの鬱憤をはらすために始めたようであるが、今や中流以上の人々のレジャーのひとつになったような気がする。

リオのエスコーラデサンバは、ファーベーラ(貧民街)にあるところが多く、カーニバルで暮らしている人も随分多いようだ。一度、ファベーラのカーニバル関係者の家に行ったことがある。外見は汚いが、中はすべての電気製品がそろい、僕なんかよりずっといい生活をしていて驚いた。エスコーラ・デ・サンバは立派な優良企業といってもよいだろう。

去年だったか、おととしだったか、ベネズエラのチャベス大統領の山車を出したエスコーラには莫大なお金が流れたというし、毎年、巨額のお金が動いていると思う。カーニバルのおかげでファーベーラの貧乏な人たちにも、お金が回るし、それは非常にいいことではあるが、少しずつ一般庶民の気持ちはカーニバルから離れているような気がする。
 
【写真説明】2年前のサンパウロのカーニバルのパレード。今はもっと華やかになり、本場リオとそれほど変わらなくなってきた

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