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南仏ニームに住む門田尚子さん(南国市出身)が、南仏の陽光の中での日々のうつろいを描写。
2011年2月アーカイブ
日曜の朝、仕事場の庭に鳩が落ちていた。白と黒のきれいなものがあると思って近づくと、地面に突っ伏した鳩だった。死んでいるかと思ったが、小刻みに体が震えている。
お店からダンポール箱を持ってきてそっと入れた。
すっかり弱っているようで死んでしまうと思ったが、どちらにしても庭に放置しておくわけにはいかない。
夜間は門が閉まっていて外部からの出入りは無いが、昼間は人間だけでなく、野良猫や犬も入ってくる。
とりあえず一日中、お店の片隅に置いて様子を見た。時々バタバタと音がするが、箱を開けて覗くと、目も閉じていて足も折れているのか体を立てることができず、羽はだらりと開いたまま。
かわいそうだが日曜だし、こちらは仕事なのでどうすることもできず、明日近所の獣医さんにお願いしようと自宅に連れ帰った。
夕方からはとうとう死んでしまったかと思うくらい、ぐっすり眠っている様子だったので、そのままにしておいた。翌朝、水を飲ませてから獣医さんに電話しようと、箱を開けると、ジャジャーン!「鳩が出ました!」とばかりに勢い良く箱から飛び立とうとするではないか!
昨日まではまるで鳩の形はしておらず、ぐしゃっとなった白と黒の物体だったのに、なんと嬉しいサプライズ。手品のごとく、白地に黒のきれいな鳩に変身した。家の中を飛び回られたら困るので、しっかりと両手に収め、なんとか玄関のドアを開けた。
「本当に飛べるの?」鳩は私の手の中で力強く動いている。落っこちたらまた拾ってあげればいいや。がんばれ!思い切って宙に投げると、ばさばさっと威勢の良い羽音を立てて、鳩は私の手から元気良く飛び立った。
南の空に高く高く飛び立つと大きく東の方に弧を描いて、北の方角に飛び去った。あっという間だった。
私はなんだかとっても素敵なプレゼントをもらったような気持ちになった。自然ってすごいなぁ。命ってすばらしいなぁ。何より鳥が飛ぶ姿の美しさに感動した。
鳩さん、ありがとう。周りの景色より一足早く、私の心に春風が吹いた。


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