
「おいさがし」な人
28年ぶりに故郷に帰ってきた和田さんは、土佐弁について「ここまで決定的に標準語と異なる言語体系が日常的に使用されていることは少ないのではないか」と考察されています。
和田さんのおっしゃるように、土佐弁も、特に若い人を中心に徐々に標準語に侵食されていますが、それでもまだ土佐は独特の言葉遣いが残っているところだと思います。
4月に、TV局の日曜市ロケのお手伝いをした時、ディレクターの方から、「イモモチ」の桑尾さんの収録インタビューの中で「どうしても分からない言葉があるから教えてほしい」とお電話をいただきました。
「『おいそがし』か、『おいはがし』か、何て言っているんでしょう?」とディレクター。
「えーと。それは『おいさがし』でしょうね」(私)
「えっ!『おいさがし』?それはどういう意味ですか?」(ディレクター)
「『おいさがし』は土佐弁で『いいかげん』という意味です」(私)
何ですぐ分かったかというと、
私が「おいさがし」な人間だからです。
子どもの時から、「あんたはほんとに『おいさがし』な人間やねえ。はよう、机の上のものをかたづけなさい」と、親にあきれられ、
仕事についてからは、「おんしゃあ、『おいさがし』なことをすなや」(お前、いいかげんなことをするなよ)と言い続けられて…。
日常で「おいさがし」という言葉に慣れてるんだな、これが。
と胸を張る。
桑尾さんはインタビューを受けて、照れと謙遜でいった言葉ですが、あの仕事ぶりを見ると、とても「おいさがし」には思えません。
「おいさがし」人間は、世間一般では認められませんが、高知ではまだ生息する余地があるのが救いです。
なんたって、周囲に「おいさがし」な人には事欠きませんから。その中に身を隠すことができるのですね。
それと、周囲に「おいさがし」なやつだと認めて(あきらめて)もらうと、周りがきちんとフォローしてくれる。
いやあ、大らかな高知で生活していてよかった、よかった。
改めて周りにいる知人、友人、家族に感謝です。
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