
ベトナムの街路市の最近のブログ記事
さていよいよメコンデルタの旅のメイン、ジャングルクルーズです。クルーズというと、豪華客船とか、大きい船の印象が強いですが、乗り込んだのは手こぎの小さい船です。
動力付きの船は男性が運転、手こぎの船は主に女性が操ります。女船頭さんの年齢はさまざまですが、全般的に若い人が多いようでした。
船はタイソン島の細い水路を進んでいきます。海からつながっているんで当然のことながら水の色は茶色。シダやヤシなど南方系の植物が上から覆いかぶさるように茂っています。
水路の幅は船を縦に並べて3つくらい。お客さんを送って帰ってくる船とすれ違うのですが、時おりぶつかりそうになります。それをたくみに操る船頭さんのバランス感覚はすばらしい。
ゆったりと進む船。さまざまな珍しい植物を眺めていると、微風が流れてくる。何ともいえず心地よい気分になりました。
行き交う船頭さんと「シンチャオ!(こんにちは)」と笑顔であいさつ。心豊かになった一日に「カムオン!」(ありがとう)。
【写真】亜熱帯の植物が上から覆いかぶさる水路を進むジャングルクルーズ
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お茶を飲み終わって、またしばらく歩くと再びお休みどころがありました。そこではベトナム名物の編みがさや地元のココナッツを利用したお菓子などまたおみやげ物が置いてあります。
若いお嬢さんが多いので、「何かやるのかなあ」と思っていたら、ギターを弾く青年が出てきて、彼女たちが歌を歌い出しました。
観光客は日本、欧米、中国などから来ている人が多いので、それぞれの国の歌も披露。日本は「幸せなら手をたたこう」で、「幸せなら肩たたこう」という歌詞が出てくると、お嬢さんに肩をたたかれました。
中国の歌も歌われていましたが、興味深かったのは中国人の対応です。その一家は50がらみの男性を筆頭とした家族で、20代の兄妹、お母さん、おばあちゃんの5人家族でした。
歌が終わると、かっぷくのいいお父さんが、彼女たちにチップを渡し始めました。お金持ちですね、中国の人は。
好景気にわいていた15年から20年前は、世界中どこでも気前よくチップをあげる日本人があふれていました。当時は中国人の旅行客を中国以外の国で見つけることはまれでしたが、今やどこへ行っても旗を立てたツアーの中国人が多いです。
海外に出るたび、成熟して下り坂の日本と、若い上り坂の中国の対比をいつも見せつけられます。
【写真】歌を歌ってくれた女性たち
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タイソン島の亜熱帯のジャングルの道を抜けて歩いていくと、まずはおみやげ物やさんで一服。とにかくツアーではお客さんに、みやげものを買わせなくてはいけないですからね。
構えられた席に座ると、女性がお茶を入れてくれました。ここタイソン島は、ハチミツが名物の一つらしく、盛んにロイヤルゼリーを勧めてきます。
丁重にお断りしたのですが、あれもある、これもあると安い品物も含めて、ハチミツの各種を押してきました。なかなか商売熱心です。
彼女の入れてくれたお茶はもちろんハチミツを使ったもの。そして、取りいだしたるものは、なんとキンカンではありませんか。
そのキンカンを搾って、お茶の中に。キンカンの酸っぱさとハチミツの甘さが適度にからまって、すい甘い。うーん、おいしい。
キンカンとハチミツと言えば日曜市の名物の一つですが、高知に帰ったら、また買い求めて、この取り合わせを楽しんでみようと思いました。
ほんと体があったまりそう。風邪によくききそうですね。
【写真】ハチミツとキンカンのお茶を入れてくれる女性
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ミトーの渡し場にはたくさんの大小の船が出番を待っていました。
船が出るまで時間が少しあったので、例によってうろうろしていると、20人ばかりでしょうか、ハンモックにぶら下がって寝ている男性がいます。
ウィークデーの最中に、昼寝しているとはいいなあ。暑いからねえ。ベトナムにもシエスタ(午睡)があるのかなあ…なんてことを考えてましたが、さにあらず。
河を渡るツアー客を待っている船頭さんたちと、お客さんを乗せてきた運転手さんたちなんですね。別にさぼっているわけではなく、暑いベトナムでは、待ち時間は少しでも休んでおかないと事故につながりますから。
すやすやと気持ちよさそうに寝ている男性たちを見て、ちょっとのんびりした気分になったところで、クルーズに出発です。私たちを運んでくれるのは屋根がついた小さな動力船。
気のいい船頭さんが河に落ちないようにしっかりと手を握ってくれて、船に招き入れてくれました。
船はエンジン音を響かせながら、なめらかに河を進んでいきます。水の色は褐色。台風の時以外は清流に親しんでいる土佐人としては、不慣れな光景ですが、この泥こそがメコンデルタ地帯に豊かな実りを持たらしているんですね。
川風に吹かれながらしばらく行くと、緑が見えてきました。河の中にある小島、タイソン島です。
【写真】タイソン島まで送ってくれた船頭さん
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きょうからホーチミン市を離れて、メコンデルタ地帯へのジャングルクルーズの旅にお付き合いください。
ホーチミンから南へ車で国道1号線を通って2時間のミトーへ向かいました。ミトーは戦国末期、タイで活躍した山田長政のような武家商人が拠点としたところで、日本人墓地があり、日本ともゆかりのある街です。
道路は相変わらず、たくさんのバイクが通り過ぎていきます。先にお話したとおり、3人乗りは当たり前ですが、山積みの荷物を積んでいるものもあり、日本人の感覚からするとちょっと危険なんじゃないかと思います。
ちなみに、ベトナムでは、車やバイク事故で人をはねても賠償金は200万円ほどだそうです。日本が賠償金1億円とすると、およそ50倍の開き。あまり損保に入る人もいないそうですが、生活が豊かになって、命の値段が高くなってくると、損害保険に入る人も出てくるでしょうね。
車の中から流れる風景を飽きずに眺めていると、生きたニワトリを逆さにつるして市場に持っていっていく光景にでくわしました。「ちょっとかわいそうだなあ」というと、ガイドさんは「かわいそう。でもおいしそう」と切り返し、大笑いになりました。
最近、日本では鳥をつぶす光景を見ることもなくなりました。「かわいそう」なんて言葉は切り身の姿でしか、食用のチキンをおがまなくなった便利社会に居住する者の感傷にしか過ぎませんでした。それにしてもベトナムはたくましいなあ。
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ホーチミン市の旧市場と高知の日曜市の違いをもう一つ。店主さんの年齢ですが、旧市場の方は圧倒的に若い人が多いです。これは一つには日本とベトナムの人口構成比率が違うことが理由です。
高齢化社会を迎えた日本に比べて、ベトナムは若い人の人口比率が高い。なぜかというと悲しいことですが、ベトナム戦争の影響です。
日本の団塊の世代は還暦を迎えましたが、その世代はベトナムでは兵士として戦った戦争世代。激しい内戦の結果、もっとも多くの人命が失われた世代でもあります。
ベトナム戦争終結からおよそ30年。そろそろ「戦争を知らない子どもたち」が社会の主役を占めるようになりつつあります。
先日、「日本の学生が『おいおい、知っているかい?日本って、昔アメリカと戦争をしたことがあるんだってよ』と話をしていた」という話を知人から聞きました。
まさに「戦後は遠くなりにけり」ですが、ベトナムでもこれから「ベトナムってアメリカと戦争をしてたんだってさ」なんてことをいう若い人が増えてくるんでしょう。平和はいいものです。
実際、現地通貨のベトナムドンとともに、アメリカドルが普通に使えるのにびっくりしてしまいました。
旧市場の中で、高齢の「いちのおばちゃん」に出会いました。日曜市にも共通する穏やかないい顔です。しみじみながめていると、「このおばちゃんはベトナム戦争をくぐり抜けてきたんだ」ということに気づきました。
この人は、肉親や知り合いの死や生きるため幾たびの苦難を乗り越えてきたんだ。
そう思うと、おばちゃんの顔が、さらに深みを持ったものとして胸に迫ってきました。
【写真】日曜市とも共通するいちのおばちゃんの穏やかな顔(ホーチミン市の旧市場)
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「3丁目の夕日」の昭和30年代。タバコ屋さんには「看板娘」がいました。いわゆるその店の広告塔。
若くて美しい女性が店番をしており、それにひかれてくるお客さんで売り上げが伸びるという寸法です。
今ほどタバコを吸う人が迫害されていない時代。タバコがどんどん売れたんでしょうね。
余談ですが、発展途上国ではタバコを吸う人、それも男性が多いようです。
煙を吐きながらひたすら前進する蒸気機関車でもないでしょうが、とにかく途上国の男性はタバコをすぱすぱ吸いながら仕事をしている。
ベトナムではだいたいどこでもタバコが吸えるようになっており、喫煙者に優しい国でした。
日本なんか、もうタバコを吸う人は極悪人扱いですからね。
生活レベルが向上し、健康問題がクローズアップされるようになって、喫煙者はどんどん減ってきています。いつしか、タバコ屋の看板娘も姿を消すようになりました。
ところが、喫煙者に優しいホーチミン市の旧市場にいました!タバコ屋の看板娘。
マルボロやマイルドセブンなど大量のタバコの箱に囲まれてほほえむ表情は天使のよう。いやあ、かわいい。
ベトナムでの美人の基準は、肌が白くて髪が長いことだとガイドさんに教えてもらいましたが、まさに、まさに。
美しい女性は心を和ましてくれます。しばし立ち止まって見とれていると、来るんですねえ、男どもが。
バイクを飛ばしてきた青年は少しだけ娘さんと会話をしたあと、そそくさとタバコを買って去っていきました。
ちょっとはにかんだ彼の表情が初々しい。いいですねえ。看板娘がいる国は情緒があって。
【写真】街角の天使、タバコ屋の看板娘(ホーチミン市の旧市場)
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前回、高知の日曜市とホーチミン市の旧市場の違いをお話しましたが、今回は似ている点です。
それは、しつこい客引きをほとんどしないということ。
観光客の多く集まるベンタイン市場では、品物を見ていると、観光客と思ってか、「何を探しているんだ」「これはどうだ」「これは安くておいしいよ」と何度も何度もお店側にくいさがられました。
あまりお店側から勧められると拒否反応が強い天邪鬼(あまのじゃく)な私はそれに乗ることはなかったんですけれども。
これに対して旧市場の方は、のんびりとしたもので、店主さんは何をするでもなく、ぼーと路上を行く人や車を眺めています。
実は日曜市も同じで、そんなに、強引にお客さんに品物を勧めることをしません。これは自分の持ってきているものに自信があるのと、高知県の県民性として、いい意味であまり商売っ気がないところが影響していると思います。「まあ、気に入ったら、こうていってや」というところでしょうか。
高知県民は、私のような天邪鬼が多いので、あんまりしつこく勧めると「もうこん(もうこない)」という人が多いので、お店側の対応も必然的に無理強いしないということになっているんでしょう。
商売熱心もいいですが、あまりくどく品物を勧められると、お客さんの品物を見る楽しみを奪ってしまいます。客がじっくり品定めをして、その品物を店主さんが丁寧に説明してくれる。そうした方がお客さんも喜んで買い物ができるのではないでしょうか。
高知の日曜市、ホーチミンの旧市場ともこのいい雰囲気をいつまでも保ってほしいですね。
【写真】路上でのおしゃべりも多い旧市場(ホーチミン市)
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