土佐の街路市(露店市、青空市)についてのコラム!!高知の食材や農業、食の安全の話題も

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大河ドラマ「龍馬伝」のふるさと高知から、坂本龍馬関連の話や、彼の生誕地近くの日曜市、火曜市など街路市のトピックなど、観光情報、食の情報をお届けしています。愛すべき日曜市のおじちゃん、おばちゃんの話、おいしい食べ物や農業の話、旅のつれづれ、街角の経済や投資の話題、歴史や土佐の風土など、考えたこと、感じたことをつづります。

ベトナムの街路市: 2008年2月アーカイブ

saigongawa01.jpg宿泊しているホテルの目の前をサイゴン川が流れていました。ゆるゆるとした流れは、いろんなものを運んでいきます。

例えばそれは大量の水草であったり、クルーズの大型客船であったり、工事用の土砂であったり。メコン河とも共通する茶色の水はいつも穏やかな表情を見せていました。

対岸はまだまだ未開発のようだったですが、建設工事がそこかしこで始まっていました。街はどこもかしこも建設ラッシュ。これからまた新しい建物が次々と立ち、新しくおしゃれな街に変貌していくのでしょう。

サイゴン川の流れに沿って歩くとモンゴル帝国の来襲からベトナムを守った英雄チャン・フン・ダオの像が立つ公園があります。公園はデートスポットになっており、若いカップルでにぎわっています。

幸せそうにしている一組に微笑みかけると笑顔が返ってきました。何でも最近結婚したばかりで、結婚式の様子やベトナムのリゾート、ニャチャンに新婚旅行にいった写真をうれしそうに見せてくれました。

この穏やかな人々がモンゴルやアメリカという世界一の軍事力を持つ国々の侵入を退けたとは、信じがたいのですが、穏やかな中にも強さ、しなやかさ、したたかさ、そして粘り強さを兼ね備えているのでしょう。

この平和な時がずっと続き、生活が豊かになって、若いカップルたちが幸せに暮らしてほしい。

ベトナムの街路市のにぎわい、人と人とが和気合い合いと交流する様子は、高知と同じです。ベトナムの街路市を歩きながら、1000年以上の時を超えて変わらない人々の営みについて思いをはせたことでした。

【写真】朝日が昇るサイゴン川

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さていよいよメコンデルタの旅のメイン、ジャングルクルーズです。クルーズというと、豪華客船とか、大きい船の印象が強いですが、乗り込んだのは手こぎの小さい船です。

動力付きの船は男性が運転、手こぎの船は主に女性が操ります。女船頭さんの年齢はさまざまですが、全般的に若い人が多いようでした。

船はタイソン島の細い水路を進んでいきます。海からつながっているんで当然のことながら水の色は茶色。シダやヤシなど南方系の植物が上から覆いかぶさるように茂っています。

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水路の幅は船を縦に並べて3つくらい。お客さんを送って帰ってくる船とすれ違うのですが、時おりぶつかりそうになります。それをたくみに操る船頭さんのバランス感覚はすばらしい。

ゆったりと進む船。さまざまな珍しい植物を眺めていると、微風が流れてくる。何ともいえず心地よい気分になりました。

行き交う船頭さんと「シンチャオ!(こんにちは)」と笑顔であいさつ。心豊かになった一日に「カムオン!」(ありがとう)。

【写真】亜熱帯の植物が上から覆いかぶさる水路を進むジャングルクルーズ

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お茶を飲み終わって、またしばらく歩くと再びお休みどころがありました。そこではベトナム名物の編みがさや地元のココナッツを利用したお菓子などまたおみやげ物が置いてあります。

若いお嬢さんが多いので、「何かやるのかなあ」と思っていたら、ギターを弾く青年が出てきて、彼女たちが歌を歌い出しました。

観光客は日本、欧米、中国などから来ている人が多いので、それぞれの国の歌も披露。日本は「幸せなら手をたたこう」で、「幸せなら肩たたこう」という歌詞が出てくると、お嬢さんに肩をたたかれました。

中国の歌も歌われていましたが、興味深かったのは中国人の対応です。その一家は50がらみの男性を筆頭とした家族で、20代の兄妹、お母さん、おばあちゃんの5人家族でした。

歌が終わると、かっぷくのいいお父さんが、彼女たちにチップを渡し始めました。お金持ちですね、中国の人は。

好景気にわいていた15年から20年前は、世界中どこでも気前よくチップをあげる日本人があふれていました。当時は中国人の旅行客を中国以外の国で見つけることはまれでしたが、今やどこへ行っても旗を立てたツアーの中国人が多いです。

海外に出るたび、成熟して下り坂の日本と、若い上り坂の中国の対比をいつも見せつけられます。

【写真】歌を歌ってくれた女性たち

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タイソン島の亜熱帯のジャングルの道を抜けて歩いていくと、まずはおみやげ物やさんで一服。とにかくツアーではお客さんに、みやげものを買わせなくてはいけないですからね。

構えられた席に座ると、女性がお茶を入れてくれました。ここタイソン島は、ハチミツが名物の一つらしく、盛んにロイヤルゼリーを勧めてきます。

丁重にお断りしたのですが、あれもある、これもあると安い品物も含めて、ハチミツの各種を押してきました。なかなか商売熱心です。

彼女の入れてくれたお茶はもちろんハチミツを使ったもの。そして、取りいだしたるものは、なんとキンカンではありませんか。

そのキンカンを搾って、お茶の中に。キンカンの酸っぱさとハチミツの甘さが適度にからまって、すい甘い。うーん、おいしい。

キンカンとハチミツと言えば日曜市の名物の一つですが、高知に帰ったら、また買い求めて、この取り合わせを楽しんでみようと思いました。

ほんと体があったまりそう。風邪によくききそうですね。

【写真】ハチミツとキンカンのお茶を入れてくれる女性

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ミトーの渡し場にはたくさんの大小の船が出番を待っていました。

船が出るまで時間が少しあったので、例によってうろうろしていると、20人ばかりでしょうか、ハンモックにぶら下がって寝ている男性がいます。

ウィークデーの最中に、昼寝しているとはいいなあ。暑いからねえ。ベトナムにもシエスタ(午睡)があるのかなあ…なんてことを考えてましたが、さにあらず。

河を渡るツアー客を待っている船頭さんたちと、お客さんを乗せてきた運転手さんたちなんですね。別にさぼっているわけではなく、暑いベトナムでは、待ち時間は少しでも休んでおかないと事故につながりますから。

すやすやと気持ちよさそうに寝ている男性たちを見て、ちょっとのんびりした気分になったところで、クルーズに出発です。私たちを運んでくれるのは屋根がついた小さな動力船。

気のいい船頭さんが河に落ちないようにしっかりと手を握ってくれて、船に招き入れてくれました。

船はエンジン音を響かせながら、なめらかに河を進んでいきます。水の色は褐色。台風の時以外は清流に親しんでいる土佐人としては、不慣れな光景ですが、この泥こそがメコンデルタ地帯に豊かな実りを持たらしているんですね。

川風に吹かれながらしばらく行くと、緑が見えてきました。河の中にある小島、タイソン島です。

【写真】タイソン島まで送ってくれた船頭さん

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メコンデルタ地帯は、水田や畑が多く、バナナ(すごくちっちゃいバナナ)やマンゴーなどフルーツももいたるところで実っています。いわゆる「物なりがいい」土地柄というのがよく分かります。

もともとこの肥沃な大地に、住んでいたのは現在のラオスやカンボジアの人々でした。あまり洪水も頻繁に起こらなかったことから、メコンの河が運んできた養分をたっぷり吸い込んだ土地に種を蒔(ま)けば自然と農作物が取れたんですね。

こういう土地柄だと、もっと収量を増やそうとか、もっとお金持ちになろうだとかいう発想は出てきません。反対に、北の紅河周辺に住んでいた現在のベトナム人の先祖は、河の氾濫に悩まされて、治水の努力をしなければなりませんでした。

それに加えて競争をむねとする中国の影響を受けてますから、この人々がメコンデルタ地帯を見逃すはずはありません。「なんてもったいない。もっときちんと計画的に農地を作り上げれば、もっともっと収穫が増えるのに」と考えたベトナム人の先祖たちは、結局、牧歌的なラオス、カンボジア人を追い出して、この豊かな地域を押えてしまいました。

車窓から見える水田には青々とした稲の波が広がっていました。気温が高く米が年に3回取れる土地柄。農家の人が稲を収穫している姿が所々で見られました。

水田の中から所々、電柱がにょっきり顔を出しているのにびっくり。日本人は田んぼを大事にするからか、その中に電柱を立てているなんて風景はあまり見かけません。

でも数千年に渡って、現地の人々の食を支えてきた水田と、電気の消費量がこれからどんどん増えてくる象徴である電柱が同居している姿が、いかにも現代のベトナムを表しているような気がしました。

【写真】水田の中からにょっきり突き出た電柱

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きょうからホーチミン市を離れて、メコンデルタ地帯へのジャングルクルーズの旅にお付き合いください。

ホーチミンから南へ車で国道1号線を通って2時間のミトーへ向かいました。ミトーは戦国末期、タイで活躍した山田長政のような武家商人が拠点としたところで、日本人墓地があり、日本ともゆかりのある街です。

道路は相変わらず、たくさんのバイクが通り過ぎていきます。先にお話したとおり、3人乗りは当たり前ですが、山積みの荷物を積んでいるものもあり、日本人の感覚からするとちょっと危険なんじゃないかと思います。

ちなみに、ベトナムでは、車やバイク事故で人をはねても賠償金は200万円ほどだそうです。日本が賠償金1億円とすると、およそ50倍の開き。あまり損保に入る人もいないそうですが、生活が豊かになって、命の値段が高くなってくると、損害保険に入る人も出てくるでしょうね。

車の中から流れる風景を飽きずに眺めていると、生きたニワトリを逆さにつるして市場に持っていっていく光景にでくわしました。「ちょっとかわいそうだなあ」というと、ガイドさんは「かわいそう。でもおいしそう」と切り返し、大笑いになりました。

最近、日本では鳥をつぶす光景を見ることもなくなりました。「かわいそう」なんて言葉は切り身の姿でしか、食用のチキンをおがまなくなった便利社会に居住する者の感傷にしか過ぎませんでした。それにしてもベトナムはたくましいなあ。

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ホーチミン市の旧市場と高知の日曜市の違いをもう一つ。店主さんの年齢ですが、旧市場の方は圧倒的に若い人が多いです。これは一つには日本とベトナムの人口構成比率が違うことが理由です。

高齢化社会を迎えた日本に比べて、ベトナムは若い人の人口比率が高い。なぜかというと悲しいことですが、ベトナム戦争の影響です。

日本の団塊の世代は還暦を迎えましたが、その世代はベトナムでは兵士として戦った戦争世代。激しい内戦の結果、もっとも多くの人命が失われた世代でもあります。

ベトナム戦争終結からおよそ30年。そろそろ「戦争を知らない子どもたち」が社会の主役を占めるようになりつつあります。

先日、「日本の学生が『おいおい、知っているかい?日本って、昔アメリカと戦争をしたことがあるんだってよ』と話をしていた」という話を知人から聞きました。

まさに「戦後は遠くなりにけり」ですが、ベトナムでもこれから「ベトナムってアメリカと戦争をしてたんだってさ」なんてことをいう若い人が増えてくるんでしょう。平和はいいものです。

実際、現地通貨のベトナムドンとともに、アメリカドルが普通に使えるのにびっくりしてしまいました。

旧市場の中で、高齢の「いちのおばちゃん」に出会いました。日曜市にも共通する穏やかないい顔です。しみじみながめていると、「このおばちゃんはベトナム戦争をくぐり抜けてきたんだ」ということに気づきました。

この人は、肉親や知り合いの死や生きるため幾たびの苦難を乗り越えてきたんだ。

そう思うと、おばちゃんの顔が、さらに深みを持ったものとして胸に迫ってきました。

【写真】日曜市とも共通するいちのおばちゃんの穏やかな顔(ホーチミン市の旧市場)

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「3丁目の夕日」の昭和30年代。タバコ屋さんには「看板娘」がいました。いわゆるその店の広告塔。

若くて美しい女性が店番をしており、それにひかれてくるお客さんで売り上げが伸びるという寸法です。

今ほどタバコを吸う人が迫害されていない時代。タバコがどんどん売れたんでしょうね。

余談ですが、発展途上国ではタバコを吸う人、それも男性が多いようです。

煙を吐きながらひたすら前進する蒸気機関車でもないでしょうが、とにかく途上国の男性はタバコをすぱすぱ吸いながら仕事をしている。

ベトナムではだいたいどこでもタバコが吸えるようになっており、喫煙者に優しい国でした。

日本なんか、もうタバコを吸う人は極悪人扱いですからね。

生活レベルが向上し、健康問題がクローズアップされるようになって、喫煙者はどんどん減ってきています。いつしか、タバコ屋の看板娘も姿を消すようになりました。

ところが、喫煙者に優しいホーチミン市の旧市場にいました!タバコ屋の看板娘。

マルボロやマイルドセブンなど大量のタバコの箱に囲まれてほほえむ表情は天使のよう。いやあ、かわいい。

ベトナムでの美人の基準は、肌が白くて髪が長いことだとガイドさんに教えてもらいましたが、まさに、まさに。

美しい女性は心を和ましてくれます。しばし立ち止まって見とれていると、来るんですねえ、男どもが。

バイクを飛ばしてきた青年は少しだけ娘さんと会話をしたあと、そそくさとタバコを買って去っていきました。

ちょっとはにかんだ彼の表情が初々しい。いいですねえ。看板娘がいる国は情緒があって。

【写真】街角の天使、タバコ屋の看板娘(ホーチミン市の旧市場)

 

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前回、高知の日曜市とホーチミン市の旧市場の違いをお話しましたが、今回は似ている点です。

それは、しつこい客引きをほとんどしないということ。

観光客の多く集まるベンタイン市場では、品物を見ていると、観光客と思ってか、「何を探しているんだ」「これはどうだ」「これは安くておいしいよ」と何度も何度もお店側にくいさがられました。

あまりお店側から勧められると拒否反応が強い天邪鬼(あまのじゃく)な私はそれに乗ることはなかったんですけれども。

これに対して旧市場の方は、のんびりとしたもので、店主さんは何をするでもなく、ぼーと路上を行く人や車を眺めています。

実は日曜市も同じで、そんなに、強引にお客さんに品物を勧めることをしません。これは自分の持ってきているものに自信があるのと、高知県の県民性として、いい意味であまり商売っ気がないところが影響していると思います。「まあ、気に入ったら、こうていってや」というところでしょうか。

高知県民は、私のような天邪鬼が多いので、あんまりしつこく勧めると「もうこん(もうこない)」という人が多いので、お店側の対応も必然的に無理強いしないということになっているんでしょう。

商売熱心もいいですが、あまりくどく品物を勧められると、お客さんの品物を見る楽しみを奪ってしまいます。客がじっくり品定めをして、その品物を店主さんが丁寧に説明してくれる。そうした方がお客さんも喜んで買い物ができるのではないでしょうか。

高知の日曜市、ホーチミンの旧市場ともこのいい雰囲気をいつまでも保ってほしいですね。

 

【写真】路上でのおしゃべりも多い旧市場(ホーチミン市)

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さて、ベンタイン市場から目を移して、今回からはホーチミン市の本物の街路市です。この街路市は通称、旧市場と呼ばれており、古くから市が立っていたことを示しています。

この街路市も市の中心部にあるのですが、高知の街路市と違うところは常設であるところです。それぞれの店の上はトタン屋根で覆われており、毎週組み立て方式の日曜市などと違ってもっと、堅固な作りになっています。

もう一点、日曜市と違う点は、店と店の間の道路を車やバイクが走っていること。ぶらぶら店の品物を見ながら歩く日曜市の感覚でいると、車にはねられそうになりました。目は店を見ながら、横に車が来るか来ないかを気にするというのは、なかなか緊張感を強いられます。

さらに豊富な食料品が珍しくて、いろいろ見て回っていると、ふだんの高知の街路市を歩いているのとは異なった感覚に襲われました。

何か店主さんの目が高いところにある!

店頭で客が品物を選び、たくさんの出品物に埋もれて上にいる店主さんにお金を渡す形なんですね。日曜市では立っている場合を除き、店主さんは歩いているお客さんより低い位置に顔があります。

やはりこれは客より高い位置にいないようにするという日本流の謙譲の美徳なんでしょうか。

【写真】品物にうずもれて店主は客より高い位置にいる(ホーチミン市旧市場)

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ベンタイン市場は外国客が多いので、勢い値段も高くなると書きましたが、交渉次第では安くなります。まあ、いくら値段を下げたところで、やはり市価の2倍程度の価格で買わされるのですが。

だいたい東南アジア、インド、中国では店側が自分の希望価格の数倍の値段を提示してきて、それを値段交渉して下げるというのが普通です。

極端なのはインドで、お客さんとお店側の丁々発止(ちょうちょうはっし)のやりとりが展開されます。まず店側が5倍から10倍の値段をふっかけてくる。客はそれを10分の1から15分の1まで落とす。そこから両者の目標額に向けての交渉が始まります。

お客さんは一度は店を出るふりをしなければならない。「こんな値段では、いらないよ」と体を店の外へ向ける。店主はあわてて、客のそでを取り、「まあまあ、だんな。それならこのお値段ならいかがです」とまた少し値を下げる。

「いやあ。まだまだそんな価格じゃ。買えないな。あばよ」とまた店を出ようとする客。店主は客の腕をつかみ、「だんなはなかなか商売上手でんな。それならもう少しおまけしときまひょ」…。

これが延々繰り返されます。店主の演技たるや、俳優も顔負けで、これだけの名演技をみせてくれたら、少し上乗せして払ってもよいと思わせるほどです。

実に面白い。私も何度もこのエンタテイメントを楽しんだことがあります。まさにマーケットの原点ですね。

定価をそのまま払うことが多い日本ではこんな体験ができるところは少ないです。その数少ない場所が街路市。先日、日曜市でお客さんと店主が掛け合うこんな言葉のやりとりに出会いました。「これ500円にまからん?」「お客さん、その値段だったら、苦労して作った私は赤字ですよ。750円でどうです?」。

日曜市に行けば、とても人間くさいアジア市場の原点を味わうことができますよ。もっとも利益ぎりぎりの値段で出品している店も多いので、あんまりいぎたなく値下げ交渉するのもどうかと思います。節度を持って買い物を楽しんでくださいね。

【写真】値段交渉も活発に行われ活気のあるベンタイン市場(ホーチミン市)

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国営スーパーの品ぞろえの豊富さにも驚かされましたが、もっとびっくりしたのは店員、警備員含め関係職員の数が多いこと。

中国、東南アジア、インドはもともと人が多いので、仕事を分け合っているところが多いんですが、日本人の目から見ると、「人をようけ(たくさん)置き過ぎじゃないかえ」という気がします。

職員は若い人が多いんですが、女性が同僚とおしゃべりしていたり、手持ちぶさたにぼーと立っていたり。しかし東南アジア、インド、中国といろいろと回りましたが、仕事をてきぱきとこなすのは、やはりベトナム人と中国人のような気がします。

司馬遼太郎さんのベトナム旅行記「人間の集団について」によりますと東南アジアでもラオス、カンボジア、ネパールのようにインドに地理的に近い国々はインド的、瞑想的。反対にベトナム、日本、朝鮮は中国文明の影響が絶大で、競争原理が働くそうです。

半世紀の間、中国人は市場経済原理の世界に背を向けていましたが、改革開放からの経済発展は目ざましい限り。もともと商人の「商」は中国の古代国家の名前で、商の国の人が商売上手だったから、商(あきな)いをする人を商人と呼ぶようになったんですね。ですから中国人は根っからの商売人といっていい(司馬遼太郎ふうに)。

外へ出た中国人、華僑(かきょう)は世界経済に大きな影響力を持っているのは周知の事実ですが、ベトナムやタイ、シンガポール、マレーシアでも実際に経済を牛耳っているのは華僑です。華僑と中国はもともと同根で、中国が自由主義経済に移行してから、ますます関係は密になっています。

東南アジアの国々に多大な援助をしてきた日本。その安心感から、中国の影響力を過小評価している気がしてなりません。うかうかしていたら、いつのまにかアジアで孤立していたなんてことも考えられます。

話が大きくなりましたが、ついでにいうと21世紀、もっとも発展する地域は中国、ベトナムを初めとする東アジア、東南アジアであることは間違いないと思います。

おう盛な向上心、市場を構成するぼう大な人口、豊富な地下資源をそなえたこれらの国々が、凋落の予兆が見えるアメリカに代わって世界の経済をひっぱっていくことでしょう。

【写真】春節(旧正月)をひかえ、華やいだイルミネーションが登場したホーチミン市

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ベンタイン市場は、街路市的とはいえ、大きな屋根のある建物の中に入っていて、本当の青空市場とは言えません。

外国からの観光客も多く、後で市場調査(^ー^)をしてみたところ、2倍から5倍の値段をふっかけられていました。もちろんここでは何も買いませんでした。

ツーリストの常識かもしれませんが、だいたいツアーのおみやげものやさんや外国観光客の多いところは、普通の庶民が品物を手にいれる店の2倍から5倍くらいはします。それでも日本や欧米から比べて物価水準が低いので、安いんですけど。

市内の中心部にある国営のスーパーマーケットはなんとデパートの中にあります。後でガイドさんに聞いてみると、日常の物品はほかのお店で買うそうで、スーパーマーケットとはいえ、ややお給料が高い人向けなんでしょうね。

中へ入ろうとすると、警備員に止められました。手荷物預かり所があり、そこでバッグを預けてくれとのこと。万引き対策だそうです。東南アジアではこういう防御策を取っているスーパーが多いそうです。

スーパーの中には、日常の食料品、雑貨からアオザイまで置いてあります。一番目立つところに置いてある商品をチェックするのがなかなか楽しい。

ビールは地元のサイゴンビールではなく、ハイネケンがずらり並んでいました。乳製品は地元のビナミルク。これから国の発展に伴って、ビールも乳製品もどんどん消費が伸びていくことでしょう。

【写真】地元の人に人気が高いサイゴンビールを入れた箱。国営スーパーでは売られてなかった

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ベトナムの民族衣装といえば、アオザイです。色とりどりで、左右腰から下の部分にスリットが入っています。チャイナドレスと似ていますが、違うのは、下に白いズボンをはいているところかな。

ガイドさんの話では、赤系統の色はお祝い事用、白は高校生の制服に採用されているところが多いそうです。

ベトナムの人に肥満している人が少ないのは、やはり、食生活が影響しているのでしょう。フォー(米の麺)を初めとして、ベトナム料理には野菜が多く使われています。とにかくヘルシー。

ベトナム女性が美しいのは野菜をたくさん取るからなんでしょうね。肌のきめが細かいです。弘田和彦さん(日曜市3丁目北189番 木曜市62番農産物)のお姉さんの根小田さんは、「1日野菜400グラムを取らないかん」が口ぐせです。はからずもベトナムで、「野菜を多く取ればお肌がきれい、健康で長生き」が証明されていると思いました。

ちなみにアオザイは結婚式などのイベントをのぞいて、街中ではほとんど見かけません。アオザイを着ている人はパンフレットを配ったり、みやげもの店であったり、いわゆる商売がらみの人が多いです。

そりゃそうですよね。日本でも着物を着ている人は、結婚式や成人式をのぞいてはイベントなどでしか見かけませんから。

【写真】アオザイを着て民族音楽を演奏する女性(ホーチミン市のホテル)

 

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高知の日曜市とベンタイン市場との共通点は、圧倒的に女性の店主が多いということです。市場だけでなく、街へ出ても、路上で品物を売るてんびん棒をかついだりしているのはほとんど女性で、とにかく懸命に働く女性の姿が目立ちます。

逆に男はというと日中、たむろしてお茶を飲みながら路上で歓談している男性の姿をこれもよく見かけました。まあ、客待ちしているのかも知れないし、男女で仕事の分担があるのかも知れないですけど。

ガイドさんにたずねると「男性よりは女性の方がよく働きます」とのことでした。

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以前、タイに行った時にも、同じような話を聞きました。タイは特に男子はある期間、出家したり、徴兵制があるので、相対的に世間に出回る男子の数が少なくなる。よって、タイ人の男性は女性にもてもてで、働き者の女性はタイ男性を経済的にも支えている…。

タイ人でもベトナム人でも勤勉な男性はいることでしょうし、もしかしたら今のところは職が少ないかもしれないので、女性が男性より勤勉とは一概にはいえないのですが、タイでもベトナムでも、女性の方が土佐弁でいうしゃきしゃきしている(きびきび、生き生きしている)印象を受けました。

女性がよく働き、しゃきしゃきしていて、男性が圧倒されている。うん?わが高知県の話みたい。ひょっとすると、高知県人には濃厚に、東南アジアの血が反映されているのかも。気候、風土、物なりが豊かなところなんかも似通っていますしね。

ちなみにベトナム南部のメコンデルタ地帯のお米は三期作だそうです。二期作の高知県よりすごい。

【写真】ベンタイン市場でフルーツをむいている女性(上)とホーチミン市の路上で果物を売っている女性

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