大河ドラマ「龍馬伝」のふるさと高知から、坂本龍馬関連の話や、彼の生誕地近くの日曜市、火曜市など街路市のトピックなど、観光情報、食の情報をお届けしています。愛すべき日曜市のおじちゃん、おばちゃんの話、おいしい食べ物や農業の話、旅のつれづれ、街角の経済や投資の話題、歴史や土佐の風土など、考えたこと、感じたことをつづります。

愛読書、本: 2011年11月アーカイブ
もう一つ興味深かったのは「ジョブズの矛盾」です。
先に書いたように、彼はハード製作から販売まで一貫した垂直統合型を目指した。
でも管理には抵抗する「反体制派」を自認。
巨人IBMを「1984」(ジョージオーエルの小説、未来の管理社会を描いた)のビッグブラザー(人間を管理する巨大コンピューター)にたとえ、それに石を投げて壊すCMを作って大ヒットしたエピソードが書かれてました。
反体制派を演じ、「庶民の手にコンピュータを」のアピールが成功したわけです。
ジョブズは禅に傾倒し、結婚式も日本人の導師を招いて仏式で行っています。
中国で発展した禅は、インドから来た達磨(だるま)大師が開祖ですが、底流には仏教と相性のいい老子と荘子の思想が流れています。
老荘は自然や周囲と調和し、流れに逆らわずに「道」を究めるのを理想としています。
ジョブズの禅からの影響は、「シンプルを突き詰めるところに美がある」という考え方に反映されていますが、禅の本分の「調和」とは正反対。
自分の中にある「美しさ」が絶対で、人に押しつけようとする。
「できるやつ」と「できないやつ」をはっきり区別し、「できないやつ」は相手にしない。
「無用の用」を説き、一見役に立たないと思われている人や物でも、実は役に立っていることを主張する荘子とは、まるっきり逆です。
でも、人間とは矛盾する存在。
むしろすべてのことが一貫しているという人の方が珍しい。
この本で描かれているジョブズの矛盾に満ちた人間像が、とてもリアリティがあり、人くさく、とてもいとおしいく思えました。
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