
きょうの言葉: 2011年9月アーカイブ
評価する者も、また評価される
(「下町ロケット」 池井戸潤著、小学館)
直木賞を取った池井戸潤さんの「下町ロケット」。
WOWOWのドラマでも楽しんでますが、今度の日曜日の最終回を待ちきれず、本を買って読んでしまいました。
下町工場の佃製作所社長は、ロケット開発の元研究員。取引先の突然の取引中止など資金繰りに悩みながら、技術力を蓄え、いつかは自社製の部品を使ったロケットを打ち上げたいという夢を持っている。
そこに降ってわいたような大企業の特許侵害の訴え。その企業は中小企業が開発した技術をものまねし、オリジナルを作った企業を訴訟で追い詰め、企業をまるごとものにしようと画策する会社だった。
訴訟になったことで、メインバンクは貸し金をしぶり、貯金を取り崩しながら、対処するが資金ショートの時期は刻々と迫る。
そこに佃製作所の特許を買い取りたいというまた別の大企業が現れた。この企業「帝国重工」は国産ロケットの打ち上げ計画をしていたのだが、エンジンのバルブシステムで佃に先に特許を取られていた。
計画の実行時期が迫り、「特許を是が非でも使わしてほしい」と買い取りを画策するのだが…。
大企業に負けない技術力を持つ中小企業のプライド。
夢を追うのか、経営者として従業員のために現実策を選ぶのか。
ものづくりへのこだわり。
読んでいて、見ていて胸がすかっとする言葉が数々出てきます。
その中の言葉。「評価する者も評価される」
佃製作所が帝国重工に部品の納入をチャレンジすることになり、中小の佃をみくびった帝国側の侮蔑的な態度と評価に佃側が反論する場面で使われる。
評価する側が絶対ではない。
評価する者もどんな「評価を下したか」でまた評価される。
文章でほかを評価したり、他人を評価することでも、その「目」が問われるということです。
人を批判したり、評価したりする場合、評価する側はあたかも評価される側より高い位置にあると錯覚している場合があります。
そうではなく、いいかげんな評価、人を見下したような批判は、それをする側の評価も下げるという指摘。
無意識でも自分を高みにおいてないか。
自戒することが多かったです。
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