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高知市で在宅医療に取り組む医師、和田忠志さんが、医療のことや日ごろ考えること、身辺のことを自在につづります。
岡村昭彦(中)
岡村は1962年、写真家として出発したとき、PANA通信社と契約し、その通信社のバンコク支局に行く途中にライカのカメラを購入し、中国人の支局長にフィルムの入れ方を教えてもらったといいます。岡村いわく、「フィルムのつめ方は知りませんでしたが、何にレンズをむけるべきかは知っていました」。
彼は、はだし歩き、自分が敵ではないことを示すために、「日の丸」の旗をつけた竹ざおを肩にくくりつけ、ラオス国境のゲリラ戦場に乗り込んだということでした。
岡村曰く、「報道写真とは何か?一言で答えれば、証拠力の強い写真をとることだと思います。…「この写真はいい絵になる」なんてことをよくいいますが、絵になる写真なんてないんです。写真は写真です」
岡村昭彦は、テクニックではなく、魂で写真を撮り続けた人であることが分かります。岡村の写真は、カラフルな写真というイメージのものはなく、リアルな、強烈な写真です。彼は、報道写真家には透徹した世界観が必要だと感じていたようでした。彼は、賀川と同じように恐ろしく博識で、「写真で写るものの奥にあるバックグラウンド」を知ることが
証拠力の強い写真を撮る源泉と考えていたと思われます。
そして、彼は、そのような「生と死にかかわる人間観」から、ホスピスに向かったといえます。ホスピスに関しても、医療の歴史や世界の現状についても、岡村は専門家よりもはるかに豊富で深い知識を持っていました。岡村の著書は難解で、医療に関する部分であっても、私どものような専門家でも読むのに苦痛を覚えるような情報量の凝集した書です。
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