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高知市で在宅医療に取り組む医師、和田忠志さんが、医療のことや日ごろ考えること、身辺のことを自在につづります。

 

2009年8月アーカイブ

DSCF2831 よさこい祭りを見に行きました。28年ぶりにみたよさこい祭りは、私が知っているものとは、まったく違うものでした。

私が知っているよさこいは、どのチームも、おおむね衣装もみんな同じだし、踊りもよく似ていました。過去やったことがある人は、飛び入りとかでも踊りができていたような気がします。

しかし、です。今の踊りは、各チームごとに、すごく複雑で、衣装もいろいろなのがあり、ちょっと、カルチャーショックです。昔と違ってチームの数も多く、こんなに多くの警察官が交通整理に出ることはなかったように記憶します。で、友人に「浦島太郎やねぇ」といわれていますが、完全にそういう気がしています。

DSCF2833 帯屋町や大丸前にも行きましたが、すごい人で、そこでも、いろいろイベントがあったり、出店がたくさん出ていて、よさこい祭りが高知最大のイベントに成長していることが分かりました。

踊り子は、今年は少ないといいながらも、一万八千人です。仮に、踊り子と観光客が県外から一万人来ていると仮定すると、この時期は、高知市の人口が3%増えていることになります。ホテルも取れなくなると聞いています。

これはすごい。この経済効果も馬鹿にならないと思います。一人一万円使ってくれても、一億円です。

私がずっと仕事をしていた「あおぞら診療所新松戸」という事業所があります。高知とはずっと離れた、千葉県の松戸市にあります。人口48万人の大きな街です。

高知の人では、この地名を知らない方も多いでしょう。その「あおぞら診療所新松戸」の前の道で行われる「新松戸まつり」というのがあります。

その「新松戸まつり」でも、毎年、「よさこい踊り」があるのを思い出しました。どうやら、新松戸かどこかに、よさこいのチームがあるらしいのです。

「なんてすごいんだ、ここは新松戸なのに・・なぜ、こんなところで、よさこいやってんのかな?」と思っていました。が、今回、少し分かった気がします。よさこい祭りが、日本のイベントになっているということなのですね。高知県人としてはうれしいことです。

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数字で見る高知県の医療(3)

データ①
医師数(2006年)2077人
人口千人当たり医師数 高知県2.632人(4位) 全国平均2.063人

日本は医師が少ない国だといわれています。OECD東京センターによれば、次のような記載があります。

データ②
OECDヘルスデータ2009保健医療統計の国際比較
日本は、他のほとんどのOECD 諸国より人口当たり医師数が少ない。2006 年において、日本の人口千人当たり医師は2.1 人であり、OECD 平均の3.1 人をはるかに下回る。

また、次のようなデータもあります。

データ③
2006 年時点で、日本はOECD 諸国で最も長い平均寿命を謳歌しており、全人口で82.6 歳となっている。スイス、オーストラリア、アイスランド、スペインが、いずれも81 歳を超える平均寿命で続いている。

日本の乳児死亡率もまた、過去数十年間に劇的に低下した。日本は2007 年で出生千人当たり死亡数が2.6 人、OECD 平均4.9 人の半分とOECD 諸国で最も低い。

データ②に見るように、日本は医師が少ない国です。そして、その少ない医師数の下で、上記のような世界で最高水準の医療が展開されているといわれています。

このため、このため、医師が過酷な労働にさらされているという見解がかなりあります。「わが国の医師労働は過酷で、そのために過労死も時に生じる」という考えを持つ識者も珍しくありません。

ただし、ステレオタイプな見方の危険性は指摘しておきましょう。わが国の医師が必ずしも過重労働者ばかりではないことは記しておく必要があるとは思います。

しかし、医師が少ないにもかかわらず、世界的によい成績を収めていることは、それなりの無理がかかっていることは国民の方々に認識しておいて頂きたいところです。

実は、わが国では、医師のみならず看護師も少ないことが指摘されています。看護師も無理をしています。日本の医療は「ローコスト・ハイパフォーマンス」といわれていますが、その原因は医師や看護師数が少ないことと関係があることは間違いなさそうです。
改めて高知県に目を移してみます。高知県は日本で第四位の多数の医師に恵まれた県です。

しかし、医師が潤沢であるという話はあまり聞きません。県の担当官の方と話しても、いつも医師確保に神経を尖らせています。わが国は医師数に恵まれないのに、平均寿命などの健康指数が高水準で世界的な評価を得ています。

しかし、それとは対象的に、高知県は、非常に医師数に恵まれているのにもかかわらず、平均寿命などの健康指数が国内でも高いほうではありません。「ローコスト・ハイパフォーマンス」では必ずしもないのです(コストについては改めてまた述べます)。

前回述べましたように、男性の平均寿命は44位、女性は21位です。これは、果たして、どこに原因があるのでしょうか。厳しい地形と自然環境や過疎化のような地理的社会的背景に問題があるのか、それとも、医療システムに何らかの問題があるのか、と考えてしまいます。

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 高知県人の平均寿命

男性77.93歳(全国44位) 女性85.87歳(全国21位)

平成17年都道府県別生命表の概況(厚生労働省)

「平均寿命」とは、0歳の県民の平均生存期間を示します。

このデータを、私の親に話したとき、私の母親は即座に言いました。

「ひやー、そうながやねぇ。やっぱりそうや。高知の男は「いごっそう」やき、誰っちゃーの言うこと聞かんろう。皆(みんな)あが「病院に行かんといえんで」らぁ言うたち、一っつも聞かんずつ、そのまま放っちょくやか。悪うなって、ぞう揉んで、手遅れになってから病院に行くろう。ほんで、高知の男は早う死ぬがやねぇ。」と。あまりにも明快な説明でした。

母親の中では、これで完全に説明が終了し、議論が終結しているようでした。

しかし、医療に携わる私としては、そういうわけに行きません。もう少し議論を深める必要を感じました。

単に高知県人の性格の問題ではなく、社会や医療技術などの問題としてとらえる必要があるからです。そこで、別のデータをお示しします。

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これは、1995年から2000年にかけ、大部分の年齢階層で高知県平均寿命順位が低下したというデータです。もちろん、これは高知県の平均寿命が低下したというよりは、高知県の平均寿命の伸びが他県に比べて遅かったことを表すと見るのが正しいと思います。
つまり、以前は、順位がもっと高かったわけです。

こんなデータもあります。

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つまり、昭和30年代(1960頃)までは、高知県はわが国の中でも長寿県だったのです。その後、全国順位は落ちますが、いったんやや回復します。その後、1995年から2000年に再び低下し、その後、2005年にかけてほぼ横ばいという現状が分かります。

 

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このデータは、全国平均に比べて、女性はすべての年齢での平均余命がやや長いのに比べて、男性では、若年の平均余命が短く、65歳まで生き延びた人は平均余命がやや長いというデータです。

*引用した文献
第2期高知県健康増進計画「よさこい健康プラン21」平成20年3月高知県
平成18年度高知県の健康白書 高知県健康福祉部

*他県の方のための土佐弁の解説

母親のコメントの標準語訳は次のとおりです。

「ええっ、そうなんだねぇ。やっぱりそうなんだ。高知の男は「いごっそう」(頑固な高知の男性の典型性格をあらわす言葉)だから、誰の言うことも聞かないでしょ。皆(みんな)が「病院に行かなくちゃだめだよ」とかと言っても、まったく聞かないで、そのまま放っとくでしょう。悪くなって、苦しくなって、手遅れになってから病院に行くでしょう。だから、高知の男は早く死ぬんだねぇ。」

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