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高知市で在宅医療に取り組む医師、和田忠志さんが、医療のことや日ごろ考えること、身辺のことを自在につづります。

 

2010年1月アーカイブ

私は、仕事柄いろいろな場所を回るのですが、12月になり空気が澄んでくると、いろいろな景色が美しくなります。

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紅葉というと普通秋のイメージですが、この冬に高知の山々の紅葉が美しいことに気づきました。あおぞら診療所の前に筆山と高見山があります。私が子供のときには遊び場所として日常的に登っていた場所ですが、紅葉が美しいことに最近気がつきました。

このような季節感を感じながら、仕事ができるのが在宅医療や在宅ケアの楽しいところです。病院にいると、外からこられた患者さんの手が冷たいのですが、私たちの場合には、家にいる患者さんの手が暖かく、私たちの手が冷たいことがしばしばです。

筆山のとなりが高見山です。菅原道真の子供である高視(たかみ)が住んでいたのが高見山であり、その高視(たかみ)が潮江の天満宮を開いたということを最近知りました。

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高視が住んでいたころ、高見山は山であるにしても、現在の高見町付近はおそらく海、あおぞら診療所のある北竹島は島あるいは海だったと思われます。

とりとめもない話で申し訳ありませんが、なんと、天満宮の2010年正月三賀日の参拝者は21万人ときいて、驚きました。高知市の人口34万人を考えても、すごい数字だと思われます。

私の育った潮江の天満宮が強力な神社であることを、改めて知りました。私も今年は天満宮を訪れることにし、日本の医療のこと、世界の医療のこと、私たちの周囲の人のことや活動の成功を祈ってきました。

【写真】あおぞら診療所から見る筆山(2010年1月)=上=と、高見山(2010年1月) 撮影している場所付近の海抜は0.5m

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明けましておめでとうございます。しばらく更新できず、申し訳ありませんでした。昨年は実にいろいろなことがあり、本当に多くの方々にお世話になりました。厚く御礼申し上げます。

昨年はオバマ政権の成立、わが国での政権交代など、実に激動の時代で、大きな時代の変貌期を感じます。これまでのやり方ではだめなのだと思います。

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このような時代を体験できることを本当に感謝するとともに、わが国の恐るべき勢いの少子高齢化と将来の国力衰退の可能性、加えて子孫への重課税を意味する赤字国債増加など、明るいばかりの未来を想像できないことも事実です。

30年後には高齢化がピークを迎えます。そのとき、わが国は、人口全体も少なく、若い人はますます少なく、かつ、今私たちが使った国債の費用が税としてその少ない若者(私たちの子供や孫です)に課せられます。

私たちが、今、何を考え、何をなすかは重要だと思っています。新政権には、目先のことのみにとらわれず、ぜひ、未来の国民が幸せになれるよう、国家50年の計を考えて、政策立案をお願いしたいものです。

私の個人的活動として大きかったことは、26年間、首都圏を中心に活動してきた私が、高知に「あおぞら診療所」(在宅療養支援診療所)を開設したことです。高知での開設にあたっては、もう言葉に尽くせないほど、多くの方々の協力を頂きました。

また、開設後は、おかげさまで患者さんも次第に定着し、開設10か月後の現在、約60名の在宅患者様を拝見しています。自宅で最期まで療養された方も8人拝見しました。「高知は在宅ケアや在宅医療を受けない県民性である」と、いろいろな場所で聞きましたが、私たちの印象は違っています。首都圏のような核家族の集合体である都市と異なり、家族と親族の絆が強く、しかも、女性がたくましい高知。

ある意味では、首都圏より在宅医療の基盤に、地縁的にも精神的にも恵まれています。ともかく、地域の方々に支えられて、この一年、なんとかこられました。厚く御礼申し上げます。今年は、さらに、この診療活動を充実させたいと思います。どうかよろしくお願い致します。

今年はもう一つ大切なイベントを私は受け持っています。2月27日~28日に千葉県幕張で開催予定の「第12回日本在宅医学会大会」を担当しています。これについて少し触れておきます。私は、いかなる人にも、在宅医療の恩恵がわたるべきだと考えています。

高齢者のみならず小児にも在宅医療を必要とする人がいます。がんのみならず非がんの人たちの緩和ケア(苦痛に対応するケア)が問題です。また、本当に救いを求める人はしばしば声を上げません。この地域に埋もれた「声なき声」を聴くことが、私たちに求められています。

このような趣旨から、第1日目には、在宅医療を鳥瞰する記念講演、在宅医学を展望するシンポジウム、声なき声を聴くために「虐待」の問題を取り上げた国際シンポジウム(同時通訳・市民無料)を行ないます。

第2日目には、「非がん疾患の在宅緩和ケア」、「小児在宅医療」など、これまで十分注目されてこなかった分野での深い討論を展開します。第2日のプログラムでは、全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会とタイアップし、「医科・歯科連携」に関する包括的なシンポジウムも行います。

詳細は、http://www.aozora-clinic.org/zaitaku2010/ をご覧下さい。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

【写真】新年の潮江天満宮

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