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「浦島タダシ」の驚き…「お遍路さんが家に来ない」
高知で仕事を始めて一年がたちました。この一年は驚きの連続でした。というのも、28年ぶりに高知に帰ってきて、もう見るもの聞くもの、高知が大きく変わっていたからです。それこそ浦島太郎の気分なので、自分を「浦島タダシ」と呼んでいるところです。土佐弁が変貌していたこと、よさこい踊りが非常に違っていたことなど、このブログでも書いてきました。
もうひとつ、驚きなのは、「お遍路さんが家に来ないこと」です。では、「お遍路さんがいないか?」というと、そうではありません。自動車で国道を走っていると、いろいろな場所で、お遍路さんが歩いているのはしばしば目撃するので、お遍路さんはいるのです。
にも、かかわらず・・・です。私の家に来ない・・・のです。
私は、小学校に上がる前、祖母にきつく申し伝えられたことがあります。「忠志君、ひとりで家におるとき、お遍路さんがきたら、何か必ずやらんといかんで。どんな貧乏な家でも、お遍路さんがきたら物をやるもんじゃ。お米でも、お金でも、何か家にある食べ物でもえい。何でもえいき、お遍路さんがきたら、家にあるもんをやらんといかん。そうせんといかんがやき。ええかえ。」というような話を聞いたのです。
これを聞いてから、私が一人で家にいるとき、お遍路さんが家の前に来て、「チリンチリン」と鈴を鳴らすのを聞いたら、走っていって玄関を開け、挨拶をして、それから、家にあるものを物色して、ともかく、何かを必ず差し上げたわけです。
「お遍路さんには必ず物を差しあげなくてはならない」というのは、おそらく当時の四国に住む住民の共通の行動規範だったのではないかと想像します。
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