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介護保険制度の根本問題 その後の討論(1)
私は、本ブログで既に述べたように、現場で「認定審査にまつわると考えられる問題点」が多く見えるために、「介護保険制度において認定審査は必要ないのではないか」と考えていました。これまでの私の主張を簡単に要約すると、「認定審査を取りやめ、ケアマネジャーに給付総枠決定を含めた給付権限を委譲し、必要な人に必要なだけ介護を提供することにより、迅速で柔軟な公的介護給付を実現するのがよい」というものでした。
その後、この私の考えを、私と親しい太田秀樹先生(NPO法人 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク事務局長、全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)、元民主党衆議院議員で医療政策に非常にお詳しい五島正規先生(医療法人防治会理事長)、厚生労働省官僚の方々に話していましたが、太田先生も、五島先生も、「認定審査は必要である」とのご認識でした。また、厚生労働省担当官は、「介護保険制度において認定制度は必須であり、どうしても必要な制度設計」と考えています。
この間、私は様々な有識者の方々に意見をお聞きしてきました。その結果、現在、私は「認定制度を保持したまま、現場で感じられる様々な問題点に取り組んで制度を改良していくのがよいのではないか」と考え始めています。
つまり、一言で言うと、①家族介護に恵まれない要介護状態区分が比較的高い人が自宅に継続していることが困難な現状(要介護五における区分支給限度基準額が低すぎるのでは)という点、②第二号被保険者において疾患により給付が受けられる人が選別され疾患利権が存する点、③申請から認定までに時間がかかることによって進行が早い疾患の方々が適切な給付を受けることが困難である点、などを、「認定審査の問題」と切り離し、認定審査手続きを温存したまま、これらの現場の問題を解決する方法はないかを模索する、という議論の立て方ができないか、ということです。
もし、上記に述べたような現場で感じられる介護保険の問題が本質的に認定審査と直接的な関係がなく、認定という制度を温存しながら、介護保険制度の改良によって解決できるならば、それはそれで非常によいと考えます。その場合、問題の本質は認定審査をやっていることの問題ではなく、①②③はそれとは別の固有の問題と考えられるわけです。
【写真】晴天の日の筆山
(あおぞら診療所高知潮江より撮影2010年8月8日)
この討論の前提として、この間、私が有識者や厚生労働省の担当官(老健局長、老人保健課長、同課長補佐の方々ほか)たちにお聞きした介護保険制度における認定の位置づけについて、まず述べてみたいと思います。(ただ、この辺は厚生労働省も十分に市民や医療福祉の有識者に説明ができていないところだと感じています。私以外にも、「認定審査をやめたほうがよい」と考える論者は少なくないからです。)
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