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2010年9月アーカイブ
私たちは、元衆議院議員・元四国勤労病院院長、医療法人防治会理事長の五島正規先生をアドバイザーとする学習会を、毎月第四水曜日午後7時を定例として、いずみの病院で行っています。
五島先生は、長く振動病などの労働災害医療に関ってこられ、その分野の権威であるのみならず、高知県の医療問題、医療制度・介護制度・障害者制度、社会問題と、非常に幅広い分野に深い理解と知識をお持ちです。
「この五島先生から知識や見識を学びたい」という有志が集まっているのが、この勉強会です。学習会では、参加者自身が疑問に感じていることや、学びを深めたいと考えている事柄に関して、自身で調べて話題提供します。あるいは、参加者が学びたい領域に詳しいゲストの方に来て頂いてご発言頂くこともあります。
9月23日「第8回五島正規先生を囲む学習会」では、「高知県部落史研究会」の吉田文茂(よしだふみよし)氏にゲストスピーカーをお願いし、「高知市の部落史」についてお話を頂きました。
吉田氏は、高知県内で教諭をされていた方で、公立中学校校長を定年を待たずに退職し、その後、部落史の研究に挺身され、「透徹した人道主義者 岡崎精郎」(和田書房 第五十三回高知県出版文化賞受賞作品)、「近現代部落史 ― 再編される差別の構造」(共著 有志舎)などの著書があります。吉田さんが参加している「高知県部落史研究会」は結成32年の歴史があるとのことです。
まず、現在に至る被差別部落の起源について、江戸時代以前から存在する被差別民の存在や、必ずしもそれらの人々が貧困でなく、豊かな像も史実にあること、が述べられました。そして、明治の「開放令」(賤民身分於かれていた人々を一挙に平民に編入)が及ぼした影響や、そのときの高知県の状況などが述べられました。
次に、吉田氏は、部落改善運動について、特に、「高知県水平社」結成の状況などについて述べました。高知県水平社は1923年4月5日に結成され、四国で最も早い結成だったとのことです。また、吉田氏が研究している人道主義者「岡崎精郎」についても触れました。
その後、戦後の状況に移り、「人権に関する県民意識調査(2003)」に触れ、同和地区や同和地区の人に対する意識が、昭和56年、平成元年、平成14年で大きく変化したことなどが述べられました。
吉田氏が蓄積した実に膨大な知識のごく一辺を教えて頂いたのですが、勉強不足の私とは知識の落差がありすぎて、理解できないことが多くありました。改めて、お話を伺いたいと思いました。
【写真】レクチャー中の吉田氏(上)と討論の様子
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「24時間地域巡回訪問サービスに関するあり方検討会」(議論の経過報告:9月現在)が公表されました
このブログでも、介護保険制度については、私は積極的に記載をしてきました。それらをお読みになった方はご承知のとおり、介護保険制度において「要介護三以上の重度の障害をもつお年寄りを、宅でどうケアしていくのか」が、大きな問題になっています。
現実には、お年寄りがしだいに虚弱になり、家族の介護負担が重くなるとともに、本人も家族も「ギブアップ」し、結局、高齢者施設にお世話になる、というパターンは多いと思います。
療養病床が多い高知県では、「病院にお年寄りを預かってもらう」という話もよく聞きます。つまり、在宅ケアを支えるために介護保険制度を創設したのに、「要介護三以上の重度の障害をもつお年寄り」に対して、介護保険制度が有力ではない現実をどうするのか、という問題です。
社会問題としては、高齢者の急速な増加とともに、老々介護、認々介護とよばれるような、高齢者だけの世帯での「介護の困難性」が、ますます増加しているわけです。私は、このような状況を打開するためには、在宅医療の普及とともに、24時間巡回型サービスの普及が非常に重要であると考えています。
「24時間地域巡回訪問サービスに関するあり方検討会」(議論の経過報告:9月現在)が2010年9月17日に公開されました。下記のウェブサイトで、皆様にお読みいただくことができます。
http://www.murc.jp/report/press/100917.pdf
私は、ぜひ、皆様に、この「24時間地域巡回訪問サービス」の普及を応援してもらいたいと思っています。
【写真】夕刻の潮江橋 2010年9月2日撮影
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「日本小児在宅医療・緩和ケア研究会」が週間医学生新聞に取り上げられました
2010年8月29日は、「NPO法人 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワークの高知プレ大会」を高知で行った話を、このブログで致しました(2010年8月31日掲載)。実は、この日に、同時進行で、私たちの松戸のあおぞら診療所は、「日本小児在宅医療・緩和ケア研究会」の運営をしていました。
この研究会は、本ブログ(2010年9月16日)にも掲載した、あおぞら診療所新松戸院長の前田浩利が事務局となって2008年に結成し、討論を蓄積してきたものです。今回、第1回のイベントを、8月29日に東京築地の聖路加看護大学を会場として行ったものです。
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9月10日金曜日に高知市総合あんしんセンターで、「第二回高知在宅緩和ケア研究会分科会」が開催されました。高知は、このような在宅医療・緩和ケア関係の勉強会が、実に活発に行われていることが大きな特徴です。
今回は、「在宅医療を支える地域連携」と題して、松山市の「訪問看護ステーションほのか」所長の梶原厚子氏の講演が行われました。
梶原氏は、わが国における小児在宅ケアの第一人者であり、松山市で重度の障害児の訪問看護、ホームヘルプサービス、デイサービスなどに取り組む傍ら、全国で講演活動を行っています。
「事業とは新しい価値の創造」「私達が暮らす街には、困っている方々に出会える仕組みがありますか?⇒決め手は相談支援機能」「「生きにくさ」に寄り添う」「当たり前に家族と暮らすために」「「ほのか」のスタッフは幸せかな」「地域に飛び込む(携帯電話番号なども名詞に刷ってどんどん配ってしまう)」などなど、珠玉の言葉がちりばめられた、すばらしい講演でした。
単に、「訪問看護」「在宅ケア」のみならず、「声なき声を聞くソーシャルワーク(相談支援機能)」、「社長学・管理者学」まで含む、実に幅広い内容でした。
それから、なんといっても圧巻なのが、「どこまでもプラス思考」で、梶原氏があらゆることに取り組んでいることです。「小児科の経験のない看護師ばかりが集まっているのに、わが国で最大数の小児患者をケアしている訪問看護ステーション」。
そういう不思議が「ほのか」にはあるのですが、梶原氏の「超プラス思考」が、これを可能にしているような気がします。
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皆様、残暑が厳しいですが、お元気でお過ごしでしょうか。
去る9月3日金曜日に、「公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団」の勉強会として、「小児在宅医療推進のための会」が発足し、東京駅となりの「東京ステーションコンファレンス」で初会合が行われました。初代の座長は、あおぞら診療所新松戸の前田浩利医師です。この勉強会は、わが国における小児在宅医療・緩和ケアの有識者・実践者や、厚生労働省の関係担当者によって構成されています。
新生児医療の発達とともに、重い障害を持つ小児の救命率・生存率は上がり続けています。これは、わが国の小児高度医療の勝利であり、非常にすばらしいことです。一方、人工呼吸器などの医療機器を装着したまま、病院から退院できないままでいる子供たちも、たくさん出現してきているわけです。
同僚の前田浩利医師が、私にいつも言っていたのは「重い病気がある子はなぜ家で家族と暮らせないんだろう。家族と一緒に暮らすことがいいに決まっているのに。」ということです。
この問題を医療の側から解決しようとするのが「小児在宅医療」です。自宅に定期的に訪問し、人工呼吸器や経管栄養の管理、チューブ類の交換などを医師が自宅で実施します。また、それに加えて24時間にわたり相談に応じ、中等症までの急性疾患が生じた場合には、自宅で点滴や注射などを行って治療します。病院には検査のとき、入院のとき以外には、あまりいく必要がなくなり、親の負担や労力が大きく軽減されます。
わが国では、在宅医療に参入している医師は、内科、外科、整形外科などの医師が多く、小児科医が少ないのが現状です。小児科医に、在宅医療という医療の方法を知ってもらうということは非常に重要なわけです。
それから、小児在宅医療には、「小児がん」という課題があります。オーストラリアでは
小児のがん患者さんの8割が自宅で最期を迎えるという話を聞いたことがあります。わが国では、助からないがんの場合でも、ぎりぎりまで病院で延命的な治療を行い続けることが一般的です。果たしてそれが本当によいことなのか、ということは改めて考える必要があると思います。
医療の中で、痛みを含めた苦痛や苦悩を和らげる領域を、緩和医療とか緩和ケアと呼んでいます。小児在宅医療は、命に関るような重い障害をもった子や、小児がんの患者さんに対応する領域であり、私たちは、小児在宅医療は、小児緩和ケアの一つのツールとして位置づけられるべきだと考えています。皆さん、ぜひ応援してくださるようお願いします。
【写真】座長の前田医師
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