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90年代特集・補足2

 SONIC2月号の90年代特集インタビューの補足、続き。男性陣2人のお話しです。
 山下雅也さんとHandaさんは、偶然にも連日、という形になりました。

 まずは山下さん。「僕は王道を通ってないんですよ。『ロックといえば』というのを聴いてない」と言いながら、どうしてどうして。「しまってあった」というCDをわんさか持ってきてくれました。あるある。パンク。ロック。ハードコア。歌謡曲。「90年代って、僕はちょうど20歳からの10年間なんですよ。いろんな音楽が出た年代でもあるし。グランジ。メロコア。仕事で県外へ行くことも多くて、いろんなジャンルを聴けた。90年代っていうのは、つまりはそういう多ジャンルが交ざったものだったんじゃないですかね」
 これは言い得て妙。その通りだと思います。
 「高知の街の中もそうでしたよ。こんまい文化がいっぱい集まってて。それが良かった」
 街の服屋さん、雑貨屋さんで働き、街のライブハウス、クラブで遊んできた山下さんでなければ言えない言葉ですよ。当時の写真も、たくさん見せてもらいました。写ってる写ってる。あのバンドマン、また別のバンドマン、ライブハウスのなじみのお客さんの、若かりしころが。

 しかし。山下さんの先の言葉は、反語でもあります。今の街を思い浮かべます。"破壊"が進み、「こんまい文化」は生きていけなくなった。大型化。集約化。気味の悪い言葉が次々と連想される。それがゼロ年代の高知の街です。。「街の中が元気がなくなってきてたんで、一度『山下ナイト』ってDJイベント開いたこともありますよ。でも、お客さん集まらなくて。1人で自腹切りました」

 そうした現状を踏まえて、山下さんは訴えました。
 「世の中の多くの人は、量産タイプで良くなったんでしょうか。ガンダムじゃなくてジムで満足なんでしょうか。僕なんか王道とか、人と同じとか、イヤなんですけどね」

 

 大トリ、Handaさん。これまでの3人が約2時間の取材だったのに対し、彼とは雑談も含めて約6時間、話し込みました。
 とにかくすごかったのは、「Handa年表」を自作してもってきてくれてたこと。世界の音楽、日本の音楽の流れと、自分が聴いてきたものを対比したB5のペーパーには、100以上のバンド名がずらり。中学時代にFMのプレゼントに応募してサインをもらった、というSIONから、あぶらだこ、POGO、ウィラード…日本のパンクから、USアンダーグラウンド系がずらり。さらにoasisやREDIOHEAD、KORN、BENFOLDS 5まで。あなた、雑食過ぎですよ!! 「こうなったのも(雑誌の)宝島のおかげかな。ライブの情報はビラですね。集めてましたもん」
 さらに…「(高知市内の)●●レコードに小さいインディ(レーベル)のコーナーがあって。でもそこには怖いお兄さんが先にいて。僕はうろうろして、そのお兄さんがいなくなってから、見てました」
 うわー。ロックですね、その話。

 リスナー体験をひと通り聞かせてもらった後は、音楽実体験…ライブの話(客側&演奏する側)へ。90年代初頭のライブハウスは危険だったそうです。「高校生の時、●●のライブに行ったら、演奏が始まった途端、モヒカンとスキンズがケンカ始めて。会場に女の人? いませんよー。怖いお兄さんばっかり。でも、そのケンカを見て『これがロックながやなぁ』と思いました」
 Handaさんの90年代前半の話は、「怖いお兄さん」しか登場しないんですよ。「そうですよ。ライブってケンカしてなんぼって雰囲気もありましたしね。今はないですけど」。何だか、平和なことがつまんないとでも言いたげな…。
 バンドとしての表現力も素晴らしく、バンド歴も長いHandaさんならではの話も。「九州からきてたバンドと共演して。そこのベースの人が『来年デビューする』って。それがナンバーガールだったんですよ」「ギターウルフのビリーさんにライブを見てもらえて。『お前ら面白いから東京来い!』って言われたんですけど、『無理です』って即答しました」。

 濃厚なバンドライフで、Handaさんは思ったそうです。
 「みんな音楽に純粋で。それで家族みたいになったんやと思う」
 その言葉はまさに、僕がSONICで、
 いや全記者人生を懸けて大切にしている「つながり」。
 軽く「家族」って言えるHandaさんが、うらやましく見えました。

 Handaさん、また飲みましょう。山下さんの店で朝までw。

 

 本日の1曲
 「パンク・ロック」/ THE BLUE HEARTS
      albun「THE BLUE HEARTS」(1987年)より

 心から好きなんだ~。当時はそんな絶叫が恥ずかしかったけど、今はそうでもないってのが、何だか複雑。2人と話してて、この歌が頭の中に浮かびました。

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