ホーム > ユニーク土佐人ブログ > 山に聞く
半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。
撤退する勇気
登山には撤退する勇気が必要だ、といいます。頂上を目前にして、天候が悪化するなど事態が悪くなったときに、登頂をあきらめて潔く引き返す勇気が必要だ、という意味に解されているようです。
そうではないのです。事態が悪くなっているのに、がむしゃらにつき進むのはただの蛮行でしょう。撤退するのは勇気でも何でもない。あたりまえの行為です。
登山においては、天候や体調などがまだ悪くも何ともない時に、このまま進むか引き返すか決断を迫られる場面が多々あります。
例えば、縦走登山をしていて、いまA山の頂上にいる。今夜のキャンプ地はB山を越えた向こうにある。A山とB山の間は険しいところで、もし途中で事態が悪化しても突き進むしかない、引き返したところで安全になるわけではない、といった場合です。
この先、事態が悪くなるのかならないのか、悪くなったとしてどの程度悪くなるのか、その事態を乗り切れる技術や装備があるか、その時点で体力がまだ残っているか等々、はるか先のことを予測して、いま前進するか撤退するかの決断を迫られるのです。
また、「天候が悪くなりそうだから撤退しよう」と決断して下山したが、実際には悪くならなかった、ということはよくあります。そんなときに、「あぁ損をした。登山を中止するのではなかった」と後悔するものです。そうした後悔をしない決意も「撤退する勇気」なのです。
【写真】西黒森。こんな縦走路なら決断も簡単ですが
気に入ったら押してください→人気ブログランキングへ
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 撤退する勇気
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://blog.kochinews.co.jp/blog/mt-tb.cgi/282


コメントする