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半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。

 

苦労をすれば報酬があるとは…

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ある時、小学校の同級生と話をしていて、誰か有名人の年俸が何億円になるといった話がでました。「俺たちゃ、この50年間ずっと働いてきちゅうが、1億円は稼いだかなぁ」と言います。

私の最初の月給は3000円でした。そこから出発していますが、現在の貨幣価値に換算しても、1億円とか2億円は生涯かかってやっと稼げる金額です。

「よけにゃよばんが(多くは要らないが)、もうちっくと(もう少し)欲しい」というと、「銭は、こじゃんとしんどい(非常に辛い)思いをして、ちびっと(少しだけ)稼ぐもんじゃ」と言われてしまいました。

「銭は喰うていけるだけありゃぁえい(良い)。よけ欲しいと思うけに、おかしげなことになる(不祥事を起こす)」とも。いやぁかっこうつけるなぁ。

登山も同じようなものです。さんざんしんどい思いをして山に登っても、雨に降られたり吹雪に閉ざされたりして、始めから終わりまでずっと良いことは何もなかった、という山行は多いものです。

冬は吹きすさぶ烈風と寒さで休憩することもできない、夏はうっとうしい虫の襲撃で食事をすることもできない、そんなことはしょっちゅうです。

それでも、まれには澄み切った青空や心にしみる夕焼け、わくわくするような日の出を眺められることはあります。たまに。

登山は自然が相手ですから、こちらの都合の良いように事は運びません。何か苦労をすればそれ相応の報酬があるとは限りません。自然の摂理に従うほかはないのです。

良いことも悪いことも、楽しいことも辛いことも、うれしいこともわずらわしいことも、何もかもぜんぶ含めて、ただ自然のままに受け入れる。良いとこどりをしない、楽に結果を求めない、それが登山なのです。かっこええなぁ。

晴天に恵まれてもそれを「良いお天気」とは言いません。雨に降られても別にがっかりしません。山で雨に降られるのは街で降られるより遙かに辛いものですが、それも登山の一部です。

以前は、週間天気予報で雨になっている週末には喜んで出かけていました。登山者が少ないので、静かな山を楽しめるのです。はじめから覚悟を決めて出かければ雨の風情もまた良いものです。

ただ、最近はちょっと注意しています。最近の山は、大雨が降ると山崩れが起こるのです。雨を味わうどころではない、危険な山になってしまいました。

【写真説明】 雨のテント(富山県・剣岳)。このときはテントが壊れるほどの強風と、テントの下を水がザアザア流れるほどの大雨に、まるまる2日間ずっと翻弄(ほんろう)されました。事故はなかったけど、登頂もできず、ただ風雨に耐えるためだけに越中まで行ってきた。げにだれた(ただ疲れただけ)。

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コメント(2)

らんたん :

竹村さんのブログは、いつもジワッと
心に沁みてきます。
先日、報道されたヒマラヤ登山隊に
参加されているのですね。すごい!
また、帰ってこられたら
ヒマラヤの話を聞かせてください。
どうか気をつけて。

muku :

はじめまして
登山と仕事、相通じるものがあるのですね。ほとんどしんどいことばっかりですが、たまーにとても嬉しい事があるから続けていけるのかもしれません。そう考えると良い結果ばかり求めてしまう私はとても欲張りなのかもしれません。
なんとなく仕事でも行き詰っていたときなので、読みふけってしまいました。またお邪魔させていただきます。

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このページは、uniqueが2008年3月 5日 18:02に書いたブログ記事です。

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