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半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。

 

アクシデント

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だいぶ前のことですが、ある山で行方不明になっていた中高年登山者10数人が自力で下した、ということが新聞に載っていました。

そのテレビニュースでは、叱責(しっせき)に近いインタビューを受けて、リーダーがさかんに謝っていました。雪が深いため目印の赤布を探すのに時間がかかったので、野宿をしたのだそうです。

道しるべ代わりに木の枝などに赤い布やテープを取り付けることがあります。それがないと道がわからないとか、ツェルト(非常用テント)などビバーク(野宿)のための装備を持っていなかったとか、このパーティの問題はあるようです。

しかし、何かのトラブルが発生してビバークすることは、登山では当たり前の行動です。それ自体は叱責される事ではありません。しかし、マスコミは一晩帰らなかっただけで大騒ぎをしていました。

 私は女房に「山から帰って来なくても、何もするな」と言ってあります。警察へ捜査願いを出す必要はないということです。

「1
1日くらいなら心配しないけど、何日も経つと放っておくわけにもいかないでしょう」というので、その時は古い山仲間に連絡するように言ってあります。

その時の気象状況などから判断して、「竹村ならあのあたりでビバークしているだろう、ちょっと見に行ってみよう」とか「まぁ、ほっとけ」とかてきとーに判断してくれるでしょう。

もちろん、アクシデント(予期せぬ事態)に備えて、日帰りの山行でも、ビバーク装備を常に持っています。

ツェルト、グランドシート、断熱シート、レインスーツ、予備食、非常食、コッフェル(鍋)、ガスストーブ(コンロ)、救急薬、ヘッドランプ、無線機、ナイフ、ロープなどなど。食糧は4食分をいつも持っています。

そのため、一眼レフカメラも含めた総重量は10-15kgくらいになっています。これは工夫をしてもっと軽量化ができます。しかし、その程度のザック(リュックサック)を背負って普通に行動できなければどうしようもないとも思います。

ちなみに、山でビバーク(野宿)するときに一番必要な装備は何だと思いますか。

多くの人はツェルトを挙げると思います。ツェルトは袋状になった小型のテントで、冬山では必携でしょう。

しかし、四国の山で野宿をするようなときには、ツェルトはなくてもかまいません。野宿をしていて一番困ることは、体温を地面に奪われることです。つまり、一番必要な装備は、断熱シート(エアーマット)なのです。

私はアクシデントが起きなくてもよくビバークをします。写真を撮っていて時間が遅くなり、日暮れまでに登山口へ帰れなくはないが、まぁここで野宿しようか、などと軽々に予定を変更します。道迷いくらいで、(ビバークをすることはあっても)遭難することはありません。

私が遭難するとしたら、何でもないところでうっかり足を滑らせたりバランスを崩して転倒し、頭を岩などにぶっつけて意識不明になる、といったケースでしょう。自分の行動を観察していて、バランスを崩す状況もわかっています。疲れているときです。

登山では30分か1時間に1回休憩を取ります。私の場合は、いろいろやってみて、30分歩いて3分休むのが一番調子が良いようです。

ところが、よい休憩場所がなかったり、「確かこの先に景色の良いところがあったなぁ」などと、疲れたまま歩き続けているときに、バランスを崩して、体勢を立て直せずに尻餅をついたりすることがあります。

そういう状況になったときには、「お、ケアレスミスモードに入ったぞ」と考えて、"一本立てる"ことにしています。

一本立てるとは、その昔、山小屋に荷物を運んでいた"ぼっか"と呼ばれる人たちが、重たい荷物の下に杖をあてがって、荷を背負ったままで立ち休みしたことに由来します。1分休憩するだけでも、ケアレスミスモードを脱出できます。

あわてずあらせず、じっくり行くことがポイントでしょうか。

【写真】筒上山の頂上で日の出を待つあいだツェルトを張った

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このページは、uniqueが2008年4月27日 08:00に書いたブログ記事です。

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