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半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。
ポーター
ポーターとはもちろん、登山隊の荷物を運んでくれる人のことです。細かに言うと3種類のポーターがいます。
その1番目は文字通りの荷物運搬人です。今回はカトマンズで105人のポーターを雇ったそうです。2台のバスに満員で乗っていたので(荷物も満載)、気分が悪くなった人もいました。
一人が約 30kgの荷物を背負って、ベシサール(Besisahar)からコト(Koto)まで50km以上の山道を歩きました。中には少女と思えるような若い女性もいました。彼らはホテルには泊まらず、どこかで野宿をしていたようです。なかなか大変な仕事です。コトから先は、47頭のロバで運びました。
2番目のポーターは、私たちに同行してくれる人たちです。コトから先ではキャンプをするので、そのキッチンスタッフもかねています。コックを含めて6人のスタッフがいました。
太陽電池パネル、発電機、パソコン、スキーなどはロバには載せられないので彼らが運んでくれました。スキーのように運びぬくい荷物を運んでいる人には本当に気の毒でした。
3番目のポーターはハイポーターといいます。シェルパともいいますが、本来はチベット系高地民族の名です。私たちは5人のパートナーを得ましたが、全員がシェルパ族でした。ハイポータは単なる荷物運搬人ではありません。きわめて高度な登山技術と能力を持った優れた登山家です。
全部のポーターをまとめるリーダーをサーダーといいます。我々のサーダーはツルさんでした。はじめのうちは、サーダーにあれこれ指図をしていました。
何しろこちらが雇用主ですから、態度はでかいわけです。しかし、いつでもツルさんの判断が的確で間違いがありません。結局、彼を全面的に信頼してすべてを任し、私たちも彼の指示に従うことにしました。
というと聞こえはよいのですが、要するにサーダーをはじめとするハイポータの登山技術も運動能力も判断力も我々よりずっと優れているので、おんぶにだっこで、全部やってもらったというのが真相です。でも、それはここだけの話にしておいてください。
会話はどうしたかというと、ハイポータとキッチンスタッフのほとんどが片言の日本語をしゃべれました。刈谷さんは片言の(ちょっとあやしい)ネパール語を話せます。
私たちもちゃんとネパール語を勉強しました。「タトパニ ディノス(お湯をください)」とか「ダンネバード(ありがとう)」など、その他数語をしゃべれます。ちゃんと。
登山という共通の場があるので、意思疎通にはあまり困りませんでした。
この11人のネパール人スタッフは、みな勤勉でよく気が回る、プロ意識に徹した人ばかりでした。点数をつけたら全員百点満点です。
私たちの登山が成功した本当の理由は、まさしく彼らの働きにありました。いま、一人ひとり顔を思い出しながら、感謝の気持ちでいっぱいになっています。ダンネバード。
【写真】川を渡るポーター。水は身を切るほどに冷たい
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