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半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。

 

2009年2月アーカイブ

ratona01 千葉さんから「障害者でも登れる山はあるか」とご質問をいただきました。

もちろん、障害者でも登山はできます。

だいたい、ラトナチュリ遠征隊員は障害者ばかりです。

Aさんは先天的に聴力が弱い、Bさんは前立腺癌の手術をしたばかり、CさんはC型肝炎から復帰して間もない、Dさんは凍傷で足の指がない、Eさんは体にカテーテルを入れている、Fさんは糖尿病、Gさんは膝痛、私は先天的に根性がねじ曲がっている…。

「お前らそんな状態でヒマラヤへ行ったのか。なんちゅう無謀な奴らだ」とごうごうたる非難がわき上がることを恐れて隠していたのです。

先日高知新聞に載ってしまったので、しかたがない白状します。どうもすみません。ごめんなさい。

そういうとんでもない障害者でもヒマラヤに登れます。だから半身不随くらい何てことはありません(そんな無茶な)。

ともかく、リハビリはしっかり頑張ってやって下さい。そして、体調を整えていっしょに山へ行きましょう。必ず。

人は誰でもなにがしかの障害や弱点を抱えている。それをいいわけにするのはつまらない。

べつに無理をすることはない。疲れたら休めばよい。一服したら、また歩き出せ。

遅くたってかまわない。一歩ずつ進んでいれば、いずれ頂にたどりつく。

さぁ夢をかなえにでかけよう。

【写真】2008年9月1日高知空港を出発

harken 転落を防止するためにザイル(綱)を使います。普通は2人が一組になって、1人が登攀している間、他方が確保しています。

いま登攀しているものをクライマー、確保しているものをビレイヤーと言います(トップ、セカンドともいう)。

クライマーは自身の安全ベルトにザイルの一端を結び、そのザイルはアンカー(確保支点)を通してからビレイヤーが保持します。

アンカーとは、氷や雪に打ち込んだ大きな釘(アイスハーケン)です。

雪の場合にはスノーバーと呼ぶアルミのL型アングルをハンマーで打ち込み、氷の場合はねじ込み式のアイススクリューを使います。

アイススクリューはパイプにねじを切ったようなもので、回転させることによって氷の中に喰い込んでいきます。

クライマーは適宜アンカーを打ち込み、それにザイルを通しながら、よじ登ってゆきます。

もし、クライマーが墜落したときは、ビレイヤーが素早くザイルを保持します。折り返した2本のザイルを手で掴んだりビレイ器具を使って、ザイルが流れ出て行くのを止めます。

クライマーは、直近のアンカーから先に伸びたザイルの長さ分だけ転落しますが、それ以上の墜落を免れます。ビレイヤーも自身が転落するのを防ぐために、近くに取ったアンカーと自身の安全ベルトをあらかじめつないでおきます。

クライマーがザイル1本の長さを登攀すると、最後のアンカーにロープを固定します。この固定するロープは登攀に使用するザイルとは別の種類の綱を使います。登攀用のザイルは、強い衝撃が加わると伸びるタイプです。

伸びることによって、アンカーやクライマーに加わる衝撃を和らげます(手で引っ張ってびゅーんと伸びるわけではない)。固定用のロープは衝撃によって伸びないタイプの綱です。

固定ロープが取り付けられると、2番目以降の者はアセンダー(登行器)を使って登ってゆきます。アセンダーとはロープに取り付ける器具で、上方には移動するが下方には移動しない構造になっています。アセンダーは自分の安全ベルトにつないでいるので、転落を免れます。

ヒマラヤでの登攀では、高度順化や荷揚げ(登攀器具やテント食料などの運び上げ)をするため、何度も登ったり下ったりをしなければなりません。それで、ロープは固定したまま置いておきます(登山活動が終了する最後に回収する)。したがって、固定ロープはたくさんの数(長さ)が必要になります。

今回のラトナチュリではカチンカチンに凍った硬い氷(ブルーアイス)は少なく、氷壁といっても雪が固まったもので、アックスやアイゼンがビシビシ効くので、雪壁よりもむしろ登りやすいものでした。

しかも、登攀活動(固定ロープを取り付ける作業)の大部分はハイポーターがやってくれました。私がやったのはアセンダーを使って固定ロープを登るだけでした。つまり、上記の登攀行動はあくまで解説です。はい。

【写真】 スノーバー(左)、アイススクリュー(中)、アセンダー(右)

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axe 写真展にはたくさんの方においでいただきまして誠にありがとうございました。

テレビや新聞でだいぶ報道されたので、皆さん関心も高く、来場者も多かったようです。

「すごいことをやりましたねぇ」とお褒めの言葉もたくさんいただきました。たいへん恐縮しています。私たちは、チンタラチンタラとただ珍道中をやっていただけで、そんなたいそうなことはやっていないのですがねー。

会場で応対していて、良く受けた質問は、ヒマラヤ山麓に住む人たちの暮らしと、氷壁登攀(とうはん)技術に関するものでした。

ここでは、「どうやって氷や雪の壁をよじ登るのか」という疑問にお答えします。

垂直に近い氷の壁をよじ登るには、アックスとアイゼンを使います。アックスとは、柄の短いピッケルだと思ってもらえばよいでしょう。普通は両手に持つので片手にピッケル、他方にバイルを持ちます。

バイルとは、頭部に鳶口のような尖ったもの(ピッケルと同じ)とハンマー(金槌)がついたものです。ハンマーはアイスハーケン(氷釘)を打ち込むときに使います。鳶口は氷壁に打ち込んで手がかりを得るために使います(いずれも同じものだが、ピッケルと(アイス)バイルを総称して(アイス)アックスという)。

アイゼンは登山靴に取り付ける鋼鉄爪です。垂直の氷壁をよじ登るときには、つま先に4本の爪が飛び出したタイプを使います。これを前爪(俗に出っ歯)といいます。

両手のアックスと両足のアイゼンで、X型になって氷の壁に取り付きます。アックスの鳶口を氷面にしっかり打ち込み体を支えている間に、アイゼンの前爪を蹴り込んで数歩よじ登ります。

次は手を1本ずつ動かしてさらに高い位置にアックスを打ち込みます。この動作を繰り返して氷壁をよじ登ってゆきます。

【写真】写真展に展示した登攀用具。ピッケル(左)、アイゼン(中)、バイル(右) 

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IMG_0414  このところ、ラトナチュリ遠征隊の報告書作成と写真展の準備に追われています。報告書の方は私が編集長で、隊員から原稿を集めて、パソコンで編集作業をやっていました。それがようやく終わって、印刷屋さんで印刷をやってもらっているところです。

いまは写真展の準備に追われています。担当は入交さんと中島さんです。写真は130枚ほどになりました。

写真展は以下のように開きます。ぜひお越し下さい。

◆ ヒマラヤ・ラトナチュリ登山隊写真展

期日 2009年2月11日(水)~2月24日(火)
9時~17時 休館日・月曜日
会場 いの町紙の博物館  吾川郡いの町幸町110-1
       TEL 088-893-0886
入館料 520円(大人)、100円(小中高校生)

博物館へ入るために入館料がかかります。駐車場はあります。
会場で、報告書(1冊1,000円)、DVD(1枚1,000円)、写真(A3 1,000円、A4 500円)を販売します。

報告書は、A4判70ページ総カラーで、遠征中の写真と隊員の感想や報告を掲載しています。
DVDは、12月31日にテレビ高知で放送された「宝石の山頂へ」というビデオです。DVDプレーヤーやパソコンでご鑑賞いただけます。

写真は、写真展会場に展示してあるものをその場で印刷してお渡しします。印刷するのにすこし時間がかかります。

また、祝賀会を以下のように開きます。こちらは山岳連盟で準備を進めています。

◆ ラトナチュリ登頂・高新大賞受賞記念祝賀会

期日 2009年2月19日(木)18時より
会場 高知会館(白鳳の間)  高知市本町5-6-42
会費 6,000円
申込先 783-0086 高知県南国市緑ヶ丘2-3006
高知県山岳連盟 中村正博
TEL/FAX 088-865-5270
締切 2月14日

祝賀会では、報告書を無料でお渡しします。DVDと写真の配布・販売はありません。

【写真】ABCと西峰

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