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半世紀以上の登山歴を持つ竹村義仁さん(高知市)が、山や自然から学び考えたことを一歩、一歩記していきます。

 

古き岳の友よ(2)

hanedesu01 山ではときどきピンチや危機、アクシデントに見舞われる。

ピンチに陥ったとき、人間の反応に3種類ある。

まず第1種は「危険から遠ざかっているときには誰でも英雄」型だ。

普段は非常に調子の良いことをいっている。アイガーのフリーソロだろうが、無酸素のK2だろうがチョロいものだ。

ところが、いざピンチに遭うとパニックに陥ってしまい、何もできなくなってしまう。

ピンチを脱した途端に元気を取り戻し、いまの危機は自分が救ったかのようなことをいう。

第2種は「突然燃え尽き症候群」型である。

ピンチに遭うとがぜん闘志を燃やし火の玉となる。難問を次々と解決していく。

実に頼もしい。

しかし、だいたいがお調子屋である。ピンチを脱した途端に気がゆるんで大きなミスをやってしまう。

自らピンチを作り出してしまう迷惑ものだ。

第3種は「昼行灯(ひるあんどん)」型である。

普段はいてもいなくても良い男だ。いなけりゃなおさら良い。

いざ、ピンチに陥ったら・・・ やっぱり何の働きもしいない。ただじゃまになるだけだ。

ピンチを脱したあとなら・・・ いや何の役にも立たない。

ところがである。3年くらいたったある日ハタと膝を打つ。

「あーっ!! あの蛍光灯め、何かやっていると思ったら手を打っていたんじゃ」

ヒーローがパニクっても、ファイターがずっこけても、大事故にいたらなかったのは、昼行灯がちゃんと対策を講じていたからだ。

何もかも計算づくで、常日頃からおさおさ怠りなく準備万端整えて危機に対処しているのだ。

もし、あなたの近くに、さえない役立たずの男(女)がいたら大切にしたまえ。

いざとなったときに、あなたを救ってくれるのはそいつだ。

古いザイルの仲間"せいしろう"君は第3種に属す。ただし、昼行灯ではない。私みたいに偉そうにしないだけだ。

ねんのために断っておくが、3種の類型はあくまでモデルであり、フィクションである。実在する人物とは何の関係もない。「ははぁ、竹村め、第1種はAのことを、第2種はBのことを言っているな」などと余計な邪推をしないように。

もひとつ大事なことを言っておく。どのタイプも山では必要なのだ。

【写真】写真は本文といっさい関係ない

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