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山の装備の最近のブログ記事
私が持っている変わった登山用具のひとつにマルチプレートと称するものがあります。
これは、自作したもので、A4サイズの合板(ベニヤ板)とステンレス板、それにプラスチック板(いずれも薄板)をガムテープで繋いで蝶番のように開閉できるようにしたものです。合板の表側は塗料で黒く塗り、合板とプラスチックの内側にはアルミホイルを貼り付けています。
これにはいろいろな用途があります。
まずは、ハレ切り。写真を撮影するときに、逆光だと太陽の光がレンズに当たっ
てゴースト(光の反射)が写ります。それを防ぐために、黒く塗った方を内側にし
てカメラの前にかざして、太陽光を遮蔽します。
二番目はレフ板。花などを撮影するとき、アルミホイルを表にして、光を反射さ
せて影を少なくします。
そして、風防。屋外でストーブ(コンロ)を使用するときに、風を遮るためにコの
字型に開いてストーブを囲みます。(ストーブの取扱説明書によると、あまり狭
く囲い込まない方が良いそうだ)
さらに下敷き。雪の上でガスストーブを使うときは、カートリッジが冷えるのを
防ぐためにカートリッジの下に敷きます。安定の悪いテントの中で、ストーブの
下敷きにもします。また、熱いコッフェル(鍋)を置くのにも使います。
そして、机。天気図を書くときにプラスチックを上にして下敷きにします。
さらに、熊や猪に襲われたときの盾として、気に入らないやつを張り倒す張り扇
として、けっこう重宝しています・・・
というわけで、いろいろ便利に使えるマルチ用途のプレートです。
【写真】ストーブの風防
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私の本職は電子技術者です。ヒマラヤ遠征隊では記録・通信係を仰せつかっています。そこで、様々な電子・情報機器を駆使して快適な登山を実現しよう。などとは全く考えていません。できるだけハイテク武装をしないつもりです。
当初は、持ち込む機器は無線機とカメラだけにしようと思っていました。そのカメラもデジタル一眼レフとマニュアル式フィルム一眼レフを持って行くつもりでした。四国の冬山でも、寒さのためにデジタルカメラの内蔵電池がすぐに使えなくなってしまいます。
それで、予備の電池をポケットで暖めておいて交換しながら使っていました。マニュアルカメラなら、電池は露出計を振らせるだけなので大丈夫だろうと思ったのです。
しかし、カメラの修理をやっていた山仲間の助言によると、しばらく使っていなかったフィルムカメラは内部の潤滑油が固くなっていて、高山では使えないだろう、デジカメの方がまだましだ、ということでした。ちなみに、ごく最新のデジタルカメラ内蔵電池(リチウムイオン電池)は低温にかなり強くなっています。
結局、新型電池を購入して、デジタル一眼レフとデジタル・コンパクトカメラを持って行くことにしました。私はスチールカメラ(静止画)だけですが、他の隊員がビデオカメラを持って行きます。
無線機は、アマチュア無線機を持ち込むつもりです。アマチュア無線では国際的な相互運用協定があって、例えばアメリカ、オーストラリア、ドイツなどでは、比較的簡単にアマチュア無線を楽しむことができます。
現在、ネパール政府はどこの国ともこの協定を結んでいないようです。ただ、登山隊のために特別な許可を出しています。
その申請料(持ち込み使用料)が無線機1台につき100ドルかかります。
日本との連絡や気象情報の入手に衛星電話機が必要です。衛星電話機にはケータイ型音声端末やノートパソコン型データ端末など何種類かあり、レンタルもあります。しかし、申請料が3000ドルかかります。なんと、33万円ですよ。
衛星電話機がかるく買える値段です。結局、これは持って行かないことにしました。
そうなると、観天望気だけで気象を判断しなければならなくなります。それをちょっと心配しています。
でっかくて古い短波ラジオがあるので、それを持って行ってカトマンズの天気予報でも聞くかな、とも思っています。
ネパールでは短波と中波およびFMで国内放送をしていますが、放送局が少ないので僻地のベースキャンプで聞こえるかどうかわかりません。言葉の問題はどうなるかというと、ネパール人スタッフに日本語が話せる人が何人かいるそうです。
パソコンは持って行かないつもりでしたが、装備係から隊荷の管理に必要だから持って行ってくれと言われています。記録係としても、パソコンがあると助かります。
しかし、高山の低気圧のためにハードディスクが故障する可能性があり、低温のために液晶が凍る恐れがあります。1台しかない私のノートパソコンが故障したらどうすりゃいいんじゃ、と大変心配しています。
こうした電子機器を使うためには、電源を確保しなければなりません。当初は太陽電池でまかなうことを考えました。
しかし、太陽電池や風力発電機でやろうとすると、40-50万円はかかります。私たちにはとても買えません。やっぱり、ガソリン発電機が一番安上がりです。しかし、ガソリン発電機も高所ではまともに働きません。
ジェットノズルを高所用のものに交換しても出力が半分くらいに低下します。また、無線機やカメラの充電とパソコンだけしか使わなくても、90リットルほどのガソリンが必要になります。それを運ぶのもおおごとです。
もちろん、私がうんうん背負って行くわけではありませんがね。
というわけで、ヒマラヤで電子機器を使うのはなかなか大変なことです。それでも予算が十分にあれば問題はかなり軽くなります。そうなんです。皆さん、この貧乏遠征隊のためにぜひカンパをお願いします。
あれ、私は何を書いているんだろう。
【写真】ヒマラヤへ持って行く予定の電子機器
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登山で使うナイフやフォーク、スプーンなどを俗に"ぶき"と言います。確かにナイフは武器の一種には違いないのですが、その由来は定かではありません。
ロシア語から来ているという話を聞いたこともありますが、そのあたりに詳しい方がいたら教えてください。
『食うことは生きることである。他の生き物を殺して、その命の上に己の命を永らえることである。おまえは食うに値するか』
そういう物騒な話は置いておいて、山で一番の楽しみは食事です。
しかし、コンビニの弁当だけではちょっと寂しいから、何か料理を作りたいと思っても、なかなか難しいものです。
食料や調理器具などを全部自分で背負っていかなければなりません。時間や場所や水などがなかなか取れないし、往々にして風雨や吹雪の中で作ることになるからです。
たいがいワン・バーナー(コンロ)超簡単料理になります。
私の定番は焼き肉です。
ライチョウやカモシカをちょいと捕まえてきてジュージューと丸焼きにして…。まさか、そんなことはしません。
ちゃんとスーパーや日曜市で買った肉や野菜を使います。
料理といっても、コッフェル(組み合わせ鍋)やフライパンでただ焼いたり煮たりするだけです。
焼き肉のようだったり野菜炒めのようになったり、水炊きというか鍋物というか闇鍋というか、要するに何かわからない料理で、他の人に食べてもらえるような料理は作ったことがありません。
そんなものは料理とはいわんか。
山で食事をするときには、必ずお祈りを捧げます。
山はもともと神様のお住まいになっているところ。そこへ武器を携え、土足でずかずか踏み込んでいるのです。
神様の怒りに触れないように、よくよくお願いをしなければならないのです。
『山々の神々に感謝し奉る。我らが山旅をつつがなきように守り給え。われら神々の座を犯す所存、ひたすらこれなく。ただいっときの登頂を願うのみ。なにとぞ許し給え、静まりたまえ、道を開きたまえ』
あ、街ではこういう長いお祈りはせずに、ただ一言いうのが好まれるようですね。
「かんばーい!!」と。(山で何やってんだかなー)
【写真】昭和30年代から使っている武器。もちろん、新しいものも持っています、ちゃんと。
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先日の土曜日は伊予富士(1756メートル)へ行っていました。
いの町本川の新寒風山トンネルから(旧)寒風山隧道へ登って行く道路には積雪がありました。寒風山隧道の登山口から、尾根へでるまでの間は踏み跡がついていました。踏み跡は寒風山へ向かっており、伊予富士方向へは誰も通っていません。
そのあたりで積雪は60-70cmくらいあり、そのラッセルにとりかかりました。深雪をかき分けて進むことを、登山ではラッセルといいます。Russelとは除雪装置を発明した人の名前です。
雪の表面が固くなって(クラストという)いますが、靴で踏むと割れてしまいます。だから、足を高く持ち上げて雪面に乗り、クラストを割って踏み込み、(足が沈み込んでしまうので)いったん足を抜いて周りの雪を落とし込んで再度踏み込み、その足に体重を移してから、反対側の足を持ち上げて雪面に乗り…という動作を一足ごとにしなければなりません。
急な上り坂なので、前に出す足が雪面に上がりません(要するに私の足が短いのだけど)。
200メートルほど進んだだけで、「あ、こりゃとても行けんわ」と、そうそうに登頂をあきらめてしまいました。そこから頂上まで夏なら1時間の行程ですが、この分では何時間かかるかわかりません。特に頂上直下の急坂はとても登れないだろうと判断したのです。雪がもうちょっと固いか柔らかければよいのですが、ちょうど具合の悪い固さなのです。
北風を避けるためにツエルト(非常用小型テント)を張って休憩場所を確保し、雪を溶かして紅茶を作り、冬景色をゆっくり愉しんでいました。
しばらくすると3人の登山者が登ってきました。彼らはスノーシューを履いています。「コーヒーを飲んでいきませんか」と声をかけたら、「ラッセルしておきますので、ゆっくり登ってきてください」と先へ行ってしまいました。
スノーシューやワカン(輪かんじき)は雪の上を歩くために靴に取り付ける道具です。今回、わかんを準備していたのですが、うかつにも玄関に忘れてきていたのです。ただ、四国の雪山ではほとんど役に立ちません。
クラストしていなければそのまま沈み込んでしまいます。クラストしていれば3-4歩は歩けますが、落とし穴に落ち込んでしまいます。クラストを割って埋まり込んだわかんを持ち上げるのに大きな労力を費やします。こうした道具は雪がある程度の固さであって初めて効果を発揮するのです。
そのむかし、三嶺(剣山山系にある山 1893m)の中腹にある山小屋から頂上まで12時間、頂上から山頂小屋まで1時間かかったことがありました。夏ならそれぞれ4時間と5分くらいで行ける距離です。四国の雪はそれほど始末に負えないのです。
そんなことを思い出しながらしばらくのんびりしていたら、別の3人組が登ってくるのが見えました。「7人で交代してラッセルすれば頂上まで行けるかな」と急に思い立ち、荷物をまとめて前の3人組を追うことにしました。
他人にラッセルをやらせて、自分はしんどいことをしない人がたまにいます。それはみっともないので、何とか追いつこうとするのですが、3人通ったあとでも(短い足が)いっぱい埋まり込んでしまいます。気ばかり焦ってなかなか進めません。頂上のすこし手前の鞍部まで行って、軟弱者の私は再び登頂をあきらめてしまいました。
前の3人組はリーダーだけが先へ進んでいたようで、頂上手前のピークに隠れて姿が見えません。登頂できたかどうか確認できませんでしたが、なかなかタフな人でした。
写真にあるのは、むかし使っていた古いわかんです。赤いベルトは後から付けたもので、もともとは麻綱で縛るようになっていました。
昭和30年代のある正月に天狗高原へ行きました。手違いがあって、山麓の東津野村郷(現: 高岡郡津野町)へ着いたときは夕方になってしまいました。山道を登っていると、地元の男性に呼び止められました。
「いま時分にどこへ行くのか」と聞くので、「この先で野宿をするつもりだ」と答えると、「うちへ泊まってゆけ」といいます。図々しい私と友達は一晩そこでやっかいになりました。その人が、このわかんを見て「これは何か」と聞くので、使い方を説明しました。
翌朝、その人はさっそくわかんを作っていました。その素早さにびっくり仰天です。もし、その後、郷のあたりの人がわかんを使っていたら、それは私が広めたものです。(本当かどうかわかんないけど?)
わかんは日本古来の道具ですが、最近は西洋式のスノーシューも使われています。浮力が大きいし、踵が持ち上がるのでだいぶ歩きやすいようです。しかし、急峻な日本の山では、やっぱりわかんが使いやすいと思います。
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