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「ブイーノ」とは、ザンビアで使われるニャンジャ語で「いいね」という意味。ザンビアでの生活やボランティアに大忙しの菊地めぐみさん(安芸市出身)が見たアフリカの現状。
※高知新聞2月15日付夕刊の特集「金曜フリースペース」で菊地さんの活動を紹介しています。本文はこちらで読めます。

 

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段々畑を見た私たちの次の目的は、横跳(と)びするサル、ベローシファカ。「日本のコマーシャルにも登場したことがある」とガイドブックに書いてあるので、見たことがある人も多いかもしれません。

ベローシファカに会うべく、私たちはアンタナナリボからマダガスカル南端の町フォール・ドーファンまで飛行機で飛びました。

フォール・ドーファンからベローシファカが見られるベレンティー保護区まで、距離にして88キロメートル、時間にして2時間半。

国道だというこの道は、穴ボコだらけのガタガタ道。ザンビアで慣れているはずの私でも、かなり疲れました。

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道中、小さな斧を肩に担いだ男性をよく見かけました。聞けば、いつでも木を切ったり、動物を仕留めたりするために持っているとのこと。「おじいさんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に。」マダガスカルで日本の昔話を思い出しました。

やっとベレンティー保護区に到着です。シマシマの長いしっぽを持つワオキツネザルが迎えてくれます。「アーイアイ、アーイアイ、おサルさぁーんだよ」私の頭の中に昔、小学校で習った歌が流れてきました。

あれ、確か音楽の本の挿絵はシマシマのしっぽだったような。でも、ガイドブックを見ると「アイアイ」は黒い毛で覆われたちょっと不気味な姿をしています。今も小学校で「アイアイ」の歌を習うのかどうかは分かりませんが、あの挿絵(さしえ)は間違っていたことが、この時わかりました。

夕方、一息ついてから散歩に出かけました。ワオキツネザルとアカビタイキツネザルの写真を撮りながら歩いていると、少し先のほうに人影が。と、突然、その人影がピョンピョン道を横切っていく。

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「ベローシファカだ!」急いでその場に駆けつけると、真っ白いフワフワの毛をしたベローシファカが木にしがみついていました。

と、突然、遅れてやってきたベローシファカが、夕日をバックにピョンピョン横跳びしながらこちらに向かってくるではありませんか!

興奮してシャッターを切りまくりました。夫は私の声に驚いて、その姿をビデオに収めることはできなかったとか。それほど、その姿は愛らしく、飛ぶ姿はまるでバレリーナのようでした。

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【写真】(上から)すごいジャンプ力、横飛びするシファカ、飛ぶ直前のシファカ、シマウマの尻尾のワオキツネザル

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  その日の夕方、まだ見ぬヒョウを思いながら最後のサファリに出かけた。

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 茂みを抜けて視界が広がったと思ったら、悲しい光景が目に入った。ぬかるみにはまって動けなくなったバッファローの周りにメスライオンが腰を下ろしている。

 その側には数頭の赤ちゃんライオン。6頭のバッファローのうち4頭はライオンに尻尾をかじられ、既に息絶えている。

 残りの2頭はだいぶ弱っているもののまだ生きている。時々、ぬかるみから這い出そうと残りの力を振り絞って体を動かすが、泥が固まりかけていてどうすることもできない。

 「これが自然かぁ」と思いながら、動けないバッファローの横でお腹が一杯で眠そうなライオンを見ているとだんだん腹が立ってきた。

 百獣の王と呼ばれるライオンなら、その呼び名にふさわしく正々堂々と狩をして獲物をしとめたらどうだ。動けなくなったバッファローを狙うなんて卑怯すぎる。

 後でこの話を友人にすると、「そのほうが効率的でいいんじゃない?私がライオンなら、そうする。」と言われた。ライオンに百獣の王としてのプライドはないのか!!!

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 暗闇の中に、泊まっているキャンプの看板を見つけた。最後のナイトサファリもほぼ終わりである。

 「あーぁ、やっぱりヒョウは見えなかったなぁ。」落胆する私。

 とサファリカーが暗闇の中で停まった。「ヒョウか?!」「なぁんだ、またメスライオンか…。」ライオンを見ても感動しなくなってしまった。人間とは欲深いものである。

 翌朝、空港に向かう途中、バッファローの大群に出くわした。どこから来るのか、水を求めて長蛇の列だ。

 ヒョウの代わりにバッファローのズーム写真をたくさん撮って、今回のサファリは幕を閉じた。帰りの飛行機の中で、「帰るまでに絶対ヒョウを見てやる!」と誓った。

 【写真】ライオンと息絶えたバッファロー(上)、バッファローの親子(下)

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 夕方4時。さぁ、サファリへ出発だ!

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 少し走ったところで、ザンビア人の運転手兼ガイドが車を停めた。何か見つけたのか干上がった川の方を双眼鏡で覗いている。

 子ゾウを狙うライオンを、母親ゾウが牽制しているらしい。しかし、遠すぎてよく見えない。

 「んー、これじゃぁ、見たうちに入らないなぁ。」私の気持ちを察したのか、車はライオンがいた干上がった川に下りていく。

 と、なにやら黄土色の物体が目に入ってきた。地面に腰を下ろした雄ライオンではないか!寝転んではいるが、タテガミが素晴らしい。

 辺りを見回すと、雄ライオンがもう一頭。そして、じゃれあう赤ちゃんライオンまで。「あー、こんなに普通にライオンが見られるなんて。」これからのサファリに期待して胸が高鳴った。

 翌日は、早朝からウォーキングサファリに出かけた。国立公園の中を歩いて、植物や動物の足跡、糞などを観察する。

 もちろん動物も見える。時々、ライオンやヒョウに遭遇することもあるそうで、そんな時のために銃を持ったガイドが同行する。サファリカーと違って動物と同じ目線で同じ大地の上を歩くので、なんとも言えないドキドキ感がある。

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 「バシャバシャッ。」突然、川から水しぶきがあがった。どうやら2頭のオスのカバが喧嘩をしているようだ。

 一頭が水から飛び出したかと思うと、陸に向かって一目散に走り出した。もう一頭も後を追って走る。短い足でチョコチョコ走る姿は笑いを誘うが、けっこう速い。

 結局、逃げるカバは水に入ってからもしつこく追いかけられ、最後はお尻をかまれてしまった。

 普段、強い雄カバは、何十頭ものメスに囲まれハーレムを形成して暮らしている。お尻を噛まれたカバは彼の領土に侵入し戦いを挑んだが、あっさり敗れてしまったのだ。カバの世界は厳しい。

 【写真】寝そべったオスライオン(上)、カバの群れ(下)

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 ルサカ空港を出て1時間後、ザンビア航空の小型飛行機は無事、ムフエ空港に着陸した。

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 飛行機から外に出ると、ムワっとした熱気が迎えてくれた。ルサカよりも標高が低いため、気温が高いのだ。

 屋根のないサファリカーに乗り込み、国立公園目指してひた走る。

 前回、サウスルワングワに来たのは昨年の7月。雨季が終わってまだ3ヶ月ほどしか経っていなかったので川には水が残っていたが、この時期、小さい川はほとんど干上がっている。

 国立公園の中に入ると、前回と全く色が違うことに気がつく。ずっと雨が降っていないので草木は枯れ、乾燥しきっている。

 時折、どこかで火でも燃やしているんじゃないかと思えるほどの熱風が顔の横を通り過ぎていく。

 「絶対に肉食動物を見る!」そう決めた私たちは、奮発して国立公園の中にあるブッシュキャンプを予約した。

 ブッシュキャンプとは、野生動物が闊歩する国立公園の中に、季節限定でテントを張って営業する宿泊施設のこと。

 テントと言っても、シングルベッドが2つ入るほど大きく、屋外にはトイレとシャワーもついている豪華版だ。

 カバが何十頭も生息する川岸に張られたテントの中で、暑いベッドの上に横になり、「今夜とうとうライオンとヒョウにご対面か」と思うと、思わず笑いが込み上げてきた。

 【写真】ブッシュキャンプのテントの中

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 乾季も終わりに近づいた10月初め。「今度こそは」の思いを込めて、国内線に乗り込んだ。

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 目的地はサウスルワングワ国立公園。多数の野生動物が生息するザンビア有数の国立公園だ。

 国立公園での楽しみはなんと言ってもゲームドライブ。野生動物を探して国立公園の中をサファリカーで走り回る。

 ザンビアはアフリカで唯一ナイトサファリが楽しめ、運が良ければヒョウが獲物をしとめる瞬間を見ることができる。

 ザンビアに赴任してから何度も国立公園に足を運んだ。最初は、野生のゾウやキリンを見るだけで大興奮だったのに、いつも顔を見せてくれる草食動物では物足りなくなってきた。

 やっぱりライオンやヒョウが見たい!しかし、そう思えば思うほど、彼らにはお目にかかれない。

 今までライオンに遭遇したのは、たったの一回。しかも、夜だったので写真は撮れなかった。

 半年もの間、雨が降っていない乾季の終わりは、国立公園でも限られた場所にしか水がなく草食動物が水の近くに集まってくるので、それを狙う肉食動物を見つけやすくなる。

 そう、ライオンやヒョウを見るには今が絶好のチャンスなのだ。

 【写真】ゾウの上より

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